「落語は一人の芸ですし、コラボがやりやすいと思います。先人が作ってくれた古典落語というできあがったものがあるので、そこにいかに入れていくのか。今後も機会があればやっていきたいですね」

 新宿末廣亭はこれまでにも、ヒト型ロボットのペッパー、ドラえもん、ユニクロなどとコラボしてきた。自身もドラクエユーザーだという末廣亭の見川亮太さんは語る。

「落語が初めてという人もいましたが、とても好感触でした」

 安易な企画と一線を画すのは、創業以来の看板とクオリティーがあってこそ。末廣亭にはコラボの依頼が多いが、背景にはブームの枠を超え定着した落語人気がある。広報を務める林美也子さんは、落語の世界が舞台のドラマ「タイガー&ドラゴン」(2005年放送)が画期だったと語る。

「それ以降、圧倒的に入門が増えました。いま入門から楽屋入りまで1年以上かかるんです。分母が増えたら、そこには脚光が当たるしファンもつく。出待ち入り待ちも増えました」

 その頃入門した人が二つ目となり、人気を下支えしている。「ファンの方は、前座で高座返しをしている時から応援してくれます。嬉しいですね」

 演者も観客も熱い落語の世界。今後も異色のコラボが見られそうだ。(編集部・小柳暁子)

AERA 2018年4月9日号