姉:後輩のロールモデルですね。

妹:学生時代は努力を怠っても、困るのは自分だけ。だから、「まあいいか」って。でも仕事では頑張らないと、母に恥をかかせてしまう。プレッシャーが原動力になりました。

姉 大先輩であり、業界ナンバーワンのカリスマを母に持つ私たちは、本当に恵まれています。

母:娘たちは私の話法をまねていたのに、いつの間にか自分のものにしてしまった。ある部分では、私をはるかに超えたと感じます。2人のやり方は対照的で、言うなれば、次女は「情のセールス」で、長女が「知のセールス」ですね。

姉:その両方を兼ね備えていないと、人の心は動かせません。でも、それぞれの個性を生かしたセールスをしているのは確かです。自分では「知」だとは思いませんが、相対的に見ると、ロジカルな印象なのかも。

妹:姉は口がキツいけど、私より情に厚い気がします。私は和気あいあいとした雰囲気が好きなので、人とバトルすることはほとんどありませんけど。

姉:私はありますし、母もそう。

妹:でも私は「これはお客さまのためになっているのか」と常に自問しています。母を見て、当たり前だと思って20年以上実践してきたお客さま第一主義が、信頼につながったんだと思います。

(構成/ライター・安瀬リカ)

AERA 2018年4月9日号より抜粋