トランプ大統領の「教諭も銃武装を」発言の真意とは? 政治ゲームの犠牲になる学生 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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トランプ大統領の「教諭も銃武装を」発言の真意とは? 政治ゲームの犠牲になる学生

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米国社会が銃を規制できない原因とは(※写真はイメージ)

米国社会が銃を規制できない原因とは(※写真はイメージ)

 教師の銃武装で学校乱射事件は解決できる――。耳を疑うトランプ米大統領の提案の裏に、米国社会が銃を規制できない原因があった。

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 4階建て、ほぼ長方形の校舎の玄関は複数の鉄扉で閉ざされ、複数の警備員が羽子板状の金属探知機を使い、登校する生徒たちをチェックする。玄関以外の出口の鉄扉は内側から鉄の鎖で開かないようになっていることがよくあった。1階の窓は鉄のフェンスで囲われ、鉄格子がつけられている所もある。

 1987年、筆者が通っていたニューヨーク市クイーンズ区にある高校の風景だ。治安のいい場所ではなかったので、侵入者を防ぐのと同時に、生徒が銃やナイフなどを持ち込むことを防ぐためだと、教師からは聞かされた。警備員が銃を携帯していたかは記憶が定かではないが、警棒で武装はしていた。まるで刑務所のような光景に衝撃を受けたのを覚えている。

 当時はまだ、米国の学校銃乱射事件として世界的に有名となった99年のコロンバイン高校事件(襲撃者を除き13人死亡)や史上最悪の事件となった2007年のバージニア工科大学銃乱射事件(同32人死亡)が起きる前だったが、それでも66年にテキサス大学で起きた銃乱射事件(同15人以上死亡)以降、大学や高校で銃乱射事件は頻発し、銃から生徒らを守るための安全策は、教育現場の重要な課題となっていた。

 それから30年後の今も銃乱射事件は多発している。AFP通信によれば、今年の2カ月間で18件もの学校銃撃事件が米国で発生。CNNが報じた16年の研究結果によると、1966〜2012年に起きた世界の銃乱射事件の約3分の1が米国で起きており、「米国より多くの銃乱射事件が発生する国はない」と問題提起している。

 2月14日にフロリダ州の高校で17人が犠牲となった銃乱射事件で、「#NeverAgain(もう二度と起こさない)」のハッシュタグを立ち上げた同校の生徒らによる大規模な抗議運動は、議論ばかりで解決策にたどり着かない米国社会と、銃規制に向きあおうとしない米国政治への怒りの表れなのだ。


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