柴田:はい。年収は落ちていますし、増やすところまではいきません。いまは満足していますが、独身だからできているんでしょうね。家族や子ども、という話になったとき、何を譲るか。基本的に欲張りなので、全部やりたいんですが(笑)。

泉:いいですね(笑)。

柴田:体を壊すリスクなどもあると思うんですけど、できれば全部できる方法を考えたい。単価の高い仕事をするのがいいのか、資産形成などに手を出すのか。悩んでいます。

泉:時間は極力ダンスに使いたいけれど収入は欲しい。となると、資産形成に注目するのは正解だと思います。時間をあまりかけずに収入が入る資産形成って、イメージできますか?

柴田:不動産投資ですか?

泉:はい、その通りです。自分がほぼ働かなくても月末になれば家賃が振り込まれる状況をつくる。不動産の勉強や見極める目は必要です。でもそれができれば、長期的に収入が入ってくる。広報の仕事をなくしても、世界中どこでダンスしていても、家賃が入ってきます。

柴田:なるほど。

泉:労働時間と収入がリンクしない状況をつくるということですね。精神的にも楽になりますし、収入があるなしにかかわらず好きな仕事も受けられる。やりたいことに何でもチャレンジできるいい状況ですよね。

柴田:ベースがあるからこそチャレンジできる。それはすごく実感しています。将来的には、もうひとつ収入源をつくる必要はあると思っていました。

泉:「時間軸」で考えるということも大切です。目先の月給などではなく、5年くらいのスパンで、どれくらいダンスにかかわっていたいか比率を考える。いまは週3社員で週4ダンスだから、3対4ですよね。次の5年は半々かもしれない。10年後は、ダンスと別の仕事が2対5かもしれない。すると、必要なものが見えてくるはずです。

柴田:5年後くらいまでは考えても、その先は見たくない気持ちもあって、逃げ腰でした。この機会に考えてみます。

(構成/編集部・高橋有紀)

AERA 2017年12月18日号より抜粋