劇場版アニメーション「はいからさんが通る」が前後編で公開される。紅緒(べにお)と少尉を演じる早見沙織さんと宮野真守さんの二人に、演じた感想や原作とアニメーションの魅力などを聞いた。
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早見:原作が面白くて一気に読んでしまいました。紅緒は激動の時代を強く生き抜いていく女の子。こんなふうに生きられたら、と憧れます。
宮野:僕は「なんてハイカラでオシャレな世界なんだろう」と。たとえば紅緒の「袴にブーツを履く女学生ファッション」がはやったのもよくわかります。
キャラクターの言葉遣いも素敵ですよね。歌をうたうように書かれていて、テンポやリズムがとてもよくて。
──紅緒は武術も得意で、活動的。物語が進むうちに、酒乱であることもわかってきます(笑)。
宮野:テンポよく読んでいたら、だんだんギャグテイストが入ってきて「これは面白いぞ!」と、つかまれちゃいました。紅緒の破天荒さ、じゃじゃ馬ぶりも放っておけなくて、どんどん惹かれていく──僕は伊集院忍(少尉)として読んでいたので、二人の恋がどうなってしまうんだろう、と、のめりこんでしまいました。いろんなフックがある作品ですね。
●第一声で少尉のオーラ
早見:紅緒自身に芯があって、その時に思ったことを素直にやる人なので、私もストレートに反応して、役作りができました。
宮野:少尉のルックスは華やかで王子感がにじみでているんですが、彼のポリシーや美学は軍人であることからくる実直さや誠実さから培われたもの。それが生き様として表れているのが面白いな、と思いました。
──お二人の掛け合いは息もぴったりでした。やってみての感想は?
宮野:バッチリでした(笑)。
早見:私は宮野さんのお芝居に、いつも感嘆しているんです。
宮野:ちゃんと、少尉になってた?
早見:第一声から、少尉の王子的なオーラが自然に出ていて、素晴らしかったです。宮野さんは、マイクの前に立つと雰囲気が変わる。役のオーラが出てくるんですよ。