田中優子(たなか・ゆうこ)/1952年、神奈川県生まれ。80年、法政大学大学院博士課程単位取得満期退学。同大社会学部長などを経て2014年4月から同大総長。専攻は江戸時代の文学・生活文化、アジア比較文化(撮影/慎芝賢)
田中優子(たなか・ゆうこ)/1952年、神奈川県生まれ。80年、法政大学大学院博士課程単位取得満期退学。同大社会学部長などを経て2014年4月から同大総長。専攻は江戸時代の文学・生活文化、アジア比較文化(撮影/慎芝賢)

 法政大学は2017年の大学入試で早稲田大や明治大学を抑えて東日本で志願者数トップとなった。その躍進の裏に何があったのか、そして生き残る大学の条件とは? 田中優子・法政大学総長に聞いた。

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──今年の入試で志願者数が東日本でトップになりました。その要因は?

 そこを目指してきたわけでは全くありませんが、15学部それぞれが非常に多様であること、また学内でグローバル化が進んでいること、過去数回にわたる入試制度改革などが徐々に知られてきた結果だと思います。

 法政はバンカラと言われた時代もありましたが、実は1970年代から国際交流や留学制度の充実に取り組んできました。学内には留学生も増え、英語が飛び交っています。また卒業生の中に国際機関で働く人、海外で自らのキャリアを切り開く人たちも多く出てきています。そうした変化をいち早く感じ取るのはやはり女性なのでしょう。女子学生の増加が顕著です。

 私が総長になって真っ先に取り組んだのもSGU(スーパーグローバル大学創成支援事業)の申請でした。その後グローバル化、ダイバーシティー化を進めながら、そうした取り組みの発信に力を入れてきました。

──「発信」に悩む大学も多いようですが。

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