大企業ではプライドや「しがらみ」が事業の障害になるケースもありますが、若いベンチャーには、どちらもない。大企業の弱点を補うように立ち回れば、自分も大企業も成長できます。

 ベンチャー企業と大企業の関係は変わりました。かつては「上下」関係。大企業が上、ベンチャーが下でした。これをベンチャーの第1世代だとすると、第2世代は「水平」で、両者は対等になった。

 そして第3世代は「ネットワーク」。大企業と手をつなぎ、その中心に位置して全体を俯瞰しながら事業の枠組みごと動かす役割を担います。ベンチャーは、ここまで進化しました。

 これから先は、さらに激しくなる世界規模の競争に勝ち続けなければなりません。それに資する戦略や人材を確保できるでしょうか。

 真にグローバルで活躍するベンチャーが、たまたま日本人が日本で創業したにすぎない……こうした「第4世代」の登場も楽しみにしています。

AERA 2017年11月13日号