平野レミ(ひらの・れみ)/東京都生まれ。シャンソン歌手。料理愛好家。“シェフ料理”ではなく“シュフ料理”をモットーに、数々のアイデア料理を発信する(撮影/岡田晃奈)
平野レミ(ひらの・れみ)/東京都生まれ。シャンソン歌手。料理愛好家。“シェフ料理”ではなく“シュフ料理”をモットーに、数々のアイデア料理を発信する(撮影/岡田晃奈)
初出演/1980年6月14日“豪華”中国風焼き揚げ飯(撮影/塩崎吉彦)
初出演/1980年6月14日“豪華”中国風焼き揚げ飯(撮影/塩崎吉彦)

 NHK「きょうの料理」「20分で晩ごはん」に出演する度に独特な料理の数々がネットで話題になってきた料理研究家の平野レミさん。そんなユニークな料理の原点、そして平野さんにとっての家庭料理とは?

【写真】これが「きょうの料理」に初出演した時の料理だ!

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 この間、息子たちのところに遊びに行って、すごいうれしいことがあったの! 長男のところでステーキを焼いてくれたんだけれど、私の作り方とまるで同じ。ソースの作り方まで。次男のところに行ったら、そこも同じ。まるで自分の家にいるみたいでうれしくて、うれしくて。感動しました。

 私が作っている料理は100年前の、祖父の代から受け継いでいるもので、それをお嫁さんたち(女優・上野樹里、食育インストラクター・和田明日香)が引き継いでくれている。料理は「絆」だなと思うし、「料理のDNA」は受け継がれていくものなんだなと思う。家庭料理ってほんとうに大事よね。

 初めて「きょうの料理」に出たのは、シャンソン歌手として。料理家でない人たちが自慢の料理を紹介するというコーナー。そのあと(1985年)今みたいな講師のかたちでの依頼があって、私は料理の学校に行っていないし、喉をごっくんと通ったときにおいしいと思えれば料理のプロセスにはこだわらない考え。料理愛好家なの。

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