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誰かの「行けた」が勇気に バリアフリーマップがアプリに

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深澤友紀AERA

撮影/編集部・深澤友紀

撮影/編集部・深澤友紀

みんなでつくるバリアフリーマップアプリ「ウィーログ」。無料でダウンロードできる(写真:NPO法人PADM提供)

みんなでつくるバリアフリーマップアプリ「ウィーログ」。無料でダウンロードできる(写真:NPO法人PADM提供)

 数センチの段差や傾斜が車いすユーザーの行く手を阻む。それでも外出したいという一人の女性の熱意が、バリアフリーアプリを誕生させた。

 4.5センチ──。このわずかな段差が、車いす利用者に高い壁となって立ちはだかっているという。どこに段差(バリア)があるかわからずに、外出をためらう人も多い。

 2年前、インターネット検索大手のグーグルが実施する社会貢献アイデアコンテスト「グーグルインパクトチャレンジ」の最終選考会で、電動車いす利用者の織田友理子さん(37)はこう訴えた。

「車いす利用者にとって必要な情報を、みんなの投稿で共有する世界最大のバリアフリーマップをつくりたい」

●情報を投稿して共有

 彼女が語った夢はグランプリを受賞し、5千万円の助成金を得て、プロジェクトがスタート。研究者らも協力して、夢はかたちに。今年5月、スマートフォン向けアプリ「WheeLog!(ウィーログ)」が誕生した。東京・六本木であったリリースイベントには小池百合子都知事も駆けつけ、こうたたえた。

「2020年には東京オリンピック・パラリンピック、そして25年には超高齢化社会が来る。このアプリは、東京の課題をイノベーションで解決するために、情熱のあるリーダーが引っ張る一つの集大成だ」

 一体どんなアプリなのか。まずトイレやエレベーターなどのバリアフリー情報を投稿して共有することが可能だ。さらに車いす利用者が外出時に「走行ログ」機能をオンにすると、車いすの軌跡がマップ上に残る。このため、利用者は「ここは車いすでも通れる場所」と知ることができる。

 早速、利用者も喜びの声をあげている。2年半前から電動車いすを利用しているという森田美由紀さん(41)は「地図を見てもどれぐらいの傾斜の坂なのかわからないけど、このアプリは誰かが通れた道がわかるのですごく助かります」。同じく電動車いす利用者の笹川瑞穂さん(44)は「今までは、事前に電話して立てた計画通りに行動していた。ちょっと喉が渇いても、どこかに寄り道というわけにはいかなかったので、これで行動範囲が広がります」と期待する。


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