工藤阿須加 撮影用のスーツを買いに行って店員に言われたこと 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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工藤阿須加 撮影用のスーツを買いに行って店員に言われたこと

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作田裕史AERA

 AERA 2017年5月15日号で表紙に登場したのは、俳優 工藤阿須加。映画「ちょっと今から仕事やめてくる」でイジメられる新入社員を自分なりに「演じきる」ために、撮影期間中はずっとスーツで過ごした。爽やかな笑顔の裏に、ストイックな一面をのぞかせた。
「撮影用のスーツを買ったら、店員さんが『転職ですか』って(笑)」

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 180センチの長身にテニスで鍛え上げた体。スタッフ全員に大きくお辞儀をしてあいさつし、目を輝かせながらハキハキと話す。工藤阿須加は、世間のイメージと違わぬ好青年だった。だが、本人はそのイメージに戸惑うこともあるという。

「人は誰しも何かを抱えて生きていると思う。周囲のイメージはうれしく感じる半面、俳優としては自分の内面にある別のイメージも見せていきたいです」

 父は福岡ソフトバンクホークス監督の工藤公康。出世作となったドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」では、野球未経験にもかかわらず、社会人野球のピッチャー役を完璧にこなし、評価を上げた。その後もNHKの朝ドラ「あさが来た」など数々の人気作品で“好青年役”を熱演。5月27日公開の映画「ちょっと今から仕事やめてくる」では、ブラック企業で働くことになった新入社員役に臨んだ。

 工藤演じる新入社員は、吉田鋼太郎演じる上司の執拗なパワハラに悩み、自殺寸前まで追い込まれる。会社員経験のない工藤は、この新入社員の役作りに没頭したという。

「撮影中は、友人や家族との連絡を遮断しました。本当に誰からも連絡が来なくなって孤独になり、心がどんどん閉じていった。何度か『誰も悲しまないなら消えたい』と思ってしまったこともあります。映画の内容にも通じますが、『自分の人生は誰のためにあるのか』を考えるきっかけになりました」

 まだ25歳。目指す俳優像を聞くと、「器用な役者」になるより、人として、男として、かっこよく生きたいと思っているという。

「強さも情けなさも魅力的に演じられる俳優になれるかどうかは、これからの生き方で決まるはず。50歳くらいで、やっとその生き方が演技ににじみ出ると思っています」(編集部・作田裕史)

AERA 2017年5月29日


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