Jonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)氏は1974年生まれ。マサチューセッツ工科大学メディアラボを卒業後、2005年にハフィントンポストを共同創設。06年にはBuzzFeedを立ち上げ、CEOを務める(撮影/写真部・岸本絢)
Jonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)氏は1974年生まれ。マサチューセッツ工科大学メディアラボを卒業後、2005年にハフィントンポストを共同創設。06年にはBuzzFeedを立ち上げ、CEOを務める(撮影/写真部・岸本絢)

 急成長する米国ニュースサイトBuzzFeed(バズフィード)の創業者であり、最高経営責任者を務めるジョナ・ペレッティ氏が来日。「シェア」の功罪を語った。

 シャツにニットを重ね、ボトムはデニムというカジュアルな服装で現れたジョナ・ペレッティ氏は42歳。冗談好きで笑顔の若々しい彼が2006年に米国で創設したBuzzFeedは、もともとは人々がインターネットでシェアしたコンテンツとその拡散状況を調べるための実験的なプロジェクトだった。

 面白い画像を流したらどうなるか。一日の終わりに疲れを癒やすためのヒントをリストアップしたらどうか。クイズ方式で情報を流すとどうなるか。コンテンツは世界中にシェアされて人気を集め、あっという間に事業は拡大。独自ニュースの配信も始め、いまや英国や豪州、ブラジル、インド、メキシコ向けなど12のサイトを持つ。全世界で毎月70億のコンテンツビューがあるという。

●新たな挑戦を生んだ

 今年1月19日には日本語版の配信を開始。ペレッティ氏は、日本ではまだ知らない人も多いBuzzFeedの知名度アップのために、配信開始後初めて米国から乗り込んできた。本誌の単独インタビューに、学生同士で雑談しているかのような人懐っこさで応じた。

「人のためになる情報を提供できているか。人がもっと笑顔になる情報を作れているか。われわれは、人々のつながりというレンズで物事を考えている。人は情報をシェアするとき、シェアされた人ともつながる。人と人をつなげるコンテンツを提供できているかどうかが重要なのです」

 自らのサイトを「グローバル・クロスプラットフォーム・ネットワーク」と呼び、世界の人々が情報を共有しあうことで、つながりを持つための舞台を提供するという考えだ。

 何がどうシェアされていくのか、分析も戦略的に続け、その結果を新たなコンテンツの発掘に生かす。強いこだわりがある同社の事業展開の原点だからこそ、シェアの「負」の側面にも敏感だ。

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