労働不足解決の切り札 「1億総活躍」より「外国人現場監督」 (1/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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労働不足解決の切り札 「1億総活躍」より「外国人現場監督」

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編集部・庄司将晃AERA#仕事
東京都心の複合ビルの内装工事現場で作業するベトナム人技能実習生チーンさん。「将来は日本の建設会社に勤めて母国の現場で働きたい」(撮影/写真部・岸本絢)

東京都心の複合ビルの内装工事現場で作業するベトナム人技能実習生チーンさん。「将来は日本の建設会社に勤めて母国の現場で働きたい」(撮影/写真部・岸本絢)

外国人労働者の内訳(厚生労働省調べ)

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労働力人口に占める外国人の割合(労働政策研究・研修機構まとめ)

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 労働人口が減る日本。外国人の働き手がいなければ、もはや経済は回らない。論点は「受け入れるべきか」ではなく、「どのように受け入れるか」だ。

 東京都心の大型複合ビルの建設現場。その一角で、大手ゼネコンの下請けとして内装工事を受け持つサンオキ(東京都板橋区)の職人たちが、鉄骨に石膏ボードを何枚か重ねて張り付け、屋内に「壁」をつくる作業を続けていた。ボードをカッターで切り、やすりをかけて大きさと形を整える。接着剤を厚みが均一になるようにヘラで塗り付け、タッカーと呼ばれるホチキスのような器具を使って固定していく。

 日本人の作業員に交じって、ベトナム人の若い男性が手際よく仕事をこなしていた。グエン・バン・チーンさん(23)。実家は稲作農家で5人きょうだいの末っ子だ。

「日本に来たのは、優れた建築技術を学びたいからです。家は貧しいので、家族のためにお金もたくさん稼ぎたい」

 通訳の助けを借りる場面もあったが、質問にはほとんど自力で滑らかな日本語で答えた。

●現地に事前研修施設

 母国でも大人気のアニメ「ドラゴンボール」を見て日本に興味を持ったというチーンさんは、日本の外国人技能実習制度を利用して昨年6月に来日した。日本で最長3年間、働きながら技能を学ぶ途上国の外国人を企業などが受け入れる制度で、建設や食品製造、農漁業といった分野が対象だ。日本にいる実習生は昨年10月末時点で16万8千人にのぼる。

 チーンさんは、建材販売を手がける野原産業(東京都新宿区)がベトナムに設けた事前研修施設で半年ほど日本語や内装工事技術を学び、ほぼ即戦力として野原産業の取引先であるサンオキに迎えられた。施設の開所は2013年。これまでに施設を巣立った270人ほどが実習生として来日し、さまざまな取引先の現場で活躍している。

 野原産業がこの事業に取り組み始めたのは、業界全体として工事現場の人手不足が深刻化し、先行きが危ぶまれる状況になってきたからだという。資材の販売先である内装工事業者が立ち行かなくなれば、自社の商売も先細りになりかねない。


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