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フロリダ銃乱射事件で米社会は銃規制に踏み切れるのか

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津山恵子AERA

乱射事件後の追悼集会には大勢の市民が花束や手紙を手に集まり、結束して事件を乗り越えることを誓った/13日夜、米フロリダ州オーランド (c)朝日新聞社

乱射事件後の追悼集会には大勢の市民が花束や手紙を手に集まり、結束して事件を乗り越えることを誓った/13日夜、米フロリダ州オーランド (c)朝日新聞社

 米南部フロリダ州オーランドの銃乱射事件は、犠牲者が49人と米国で最悪の銃撃事件となった。議員や市民は、真の銃規制を求めて立ち上がったが、実現はなるのか。

 CNNの名アンカーで同性愛者のアンダーソン・クーパー氏が、最初の死亡者の名前を読むうち、声が割れ、3秒ほど沈黙した。あとの48人の死亡者の名前は、明らかに涙を必死でこらえる声で、ため息まじりに読み上げた。数々の大きな事件事故を冷静に報じてきた彼にしては、珍しい瞬間だ。

「これらの名前を聞き、彼らの人生を知ることが大切なのです」

 と、涙声で語った。

●LGBT月間のさなか

 6月12日にオマル・マティーン容疑者(29)=現場で警察官が射殺=が奪った罪のない命や負傷者の数は、コロンバイン高校(1999年)やサンディーフック小学校(2012年)の銃乱射事件をはるかにしのぐ過去最悪の100人以上だ。現場は、LGBT(性的少数者)のヒスパニック系の若者が、週末の「ラテンナイト」でダンスを楽しむクラブ「パルス」だった。クーパー氏は、命からがら脱出したおそらく同性愛者の男性へのインタビューでもこう質問した。

「同性愛者は、普段は感情を表に出せる場所がない。ゲイバーは、真の自分になれる場所だと思って集まったのに、そこが攻撃されましたよね」

 米社会における「弱者」であるヒスパニック系、そしてLGBTの若者が集まるこの場所は、いわば「米国の自由の象徴」でもあった。6月は、奇しくもLGBTの権利や文化を誇りとしてアピールする「LGBTプライド月間」。そのさなかの乱射事件で、LGBT社会やその支援者への打撃は計り知れない。

 マティーン容疑者は、ニューヨーク生まれの米国人。銃撃の直前や最中に、フェイスブックに「イスラム国(IS)への空爆に対する復讐だ」と投稿。警察に緊急電話もかけて、ISへの忠誠も誓った。ISなどテロリストから直接指令があったのかなど、米連邦捜査局(FBI)が捜査しているが、今のところ「単独犯」の可能性が高い。


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