「ノキア・ショック」を乗り越えろ フィンランドが国を挙げてベンチャー支援 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「ノキア・ショック」を乗り越えろ フィンランドが国を挙げてベンチャー支援

このエントリーをはてなブックマークに追加
AERA

アールト大学 スタートアップサウナ取材に行くと、学生たちが激論中。コーヒー輸出業を起業した女子学生は「日本人もコーヒー好き?」などと記者を質問攻めにした(撮影/編集部・竹下郁子)

アールト大学 スタートアップサウナ
取材に行くと、学生たちが激論中。コーヒー輸出業を起業した女子学生は「日本人もコーヒー好き?」などと記者を質問攻めにした(撮影/編集部・竹下郁子)

 狭い国土の多くを森林に覆われ、資源が少ないフィンランド。謙虚で義理堅い人間性も含め、日本との共通点は少なくない。いま、産官学を挙げてのベンチャーブームが起きている。

 コーヒーメーカーとコーラの空き缶が散乱した部屋。その隙間をぬうようにアンプやMacのデスクトップが並ぶ。まるで男子校の学生寮のようなこの部屋が、スマホ用カラオケアプリSinga(シンガ)のオフィスだ。CEOを務めるのはアッテ・フヤネンさん(28)。2013年に起業したばかりのスタートアップ企業だ。

 もともとは、イベント会社に勤務していたフヤネンさんだが、主催したカラオケ大会の盛況ぶりを見て、これを「Apple Music(ア ップルミュージック)」や「Spotify(スポッティファイ)」といった音楽ストリーミングサービスのようなかたちで提供したら「きっとウケる」と確信。起業に踏み切った。
 
11人のスタッフは20~30代前半。当初はフヤネンさんがプログラミングから営業まですべてをこなす「スーツ&ギーク(経営・営業兼エンジニア)」スタイルだったが、今はプログラミングはエンジニアに任せ、事業拡大のために広告や新規取引先の開拓に奔走している。

 一時期は携帯電話で世界シェアナンバー1を誇り、フィンランドを代表するIT企業だったノキアの成功を見て育ち、「自分も何かを生み出したい」と思うようになった。

「僕たちの誇りだったノキアが衰退して大企業への憧れが消え、モノづくりへの願望だけが残ったんです」

 フィンランドは製紙やパルプが主な輸出産業だったが、1990年代後半から2000年代前半にかけて、ノキアの台頭で一躍IT先進国となった。しかし、00年代後半にスマートフォンが登場すると、開発競争に後れをとったノキアは衰退。携帯電話事業は14年にマイクロソフトに買収された。


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい