梅小路蒸気機関車館の目玉だったSLは23両展示され、うち8両は動態保存。本物の蒸気機関車が牽引する客車に体験乗車できる(撮影/写真部・松永卓也)
梅小路蒸気機関車館の目玉だったSLは23両展示され、うち8両は動態保存。本物の蒸気機関車が牽引する客車に体験乗車できる(撮影/写真部・松永卓也)

 今春、日本最大級の鉄道博物館が京都にできる。SLから新幹線まで、日本を代表する53両がずらり。今から、オープンが待ち遠しい。

 師走に入ったばかりの昨年12月1日。記者は、冷え込む京都にいた。今年4月29日にオープン予定の鉄道博物館が報道陣にひと足先に公開されたのだ。

 その名は「京都鉄道博物館(京都鉄博)」。JR京都駅から西へ約1キロ、東海道本線と山陰本線に挟まれた敷地にある。元はSL専門の梅小路蒸気機関車館があった場所で、同館を大幅にリニューアルし建物も新設した。

 敷地面積は約3万平方メートルと、梅小路蒸気機関車館の約2.5倍で、鉄道の博物館としては国内最大級。総工費は約70億円に上り、プロムナードや3階建ての本館、SLが並ぶ扇形車庫など六つの施設で構成される。もともと関西には、梅小路蒸気機関車館と交通科学博物館(大阪市)という二つの鉄道の博物館があった。しかし、前者は昨年8月、後者は一昨年4月に老朽化などを理由に惜しまれながら閉館。その後を継ぐようにしてできたのが、京都鉄博である。

 仕掛けるのはJR西日本だ。同社開業準備室の飯田稔督(としまさ)室長(47)は、胸を張る。

「小さなお子様からお年寄りまで、世代を超えて楽しめる場所です」

 広い館内には時代を代表する「スター車両」がピカピカに整備され並んでいる。その数、なんと53両。これは東の「鉄道の聖地」として有名な鉄道博物館(さいたま市)の37両を、16両も上回る。

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