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【ニッポンの課長】東京都水道局「流れるように、恩返し」

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東京都水道局「流れるように、恩返し」東京都水道局工事第一課長 谷口博(45)撮影/写真部・東川哲也

東京都水道局
「流れるように、恩返し」

東京都水道局
工事第一課長 谷口博(45)
撮影/写真部・東川哲也

 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回は東京都水道局の「ニッポンの課長」を紹介する。

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*  *  *
■東京都水道局 工事第一課長 谷口博(45)

 東京都練馬区の大きな団地に隣り合う光が丘公園。その地中に、現在、耐震補強工事中の練馬給水所配水池がある。水が抜かれた配水池の暗くて大きなコンクリートの空間に、工事の音が響く。何だか異空間のようだ。

 練馬給水所は三つの配水池で都内最大の計20万立方メートルの水をためられる、都の重要な配水拠点だ。

 この配水池で現場監督を務める東京都水道局の谷口博は、山梨大学大学院で土木環境工学を修め、1995年に東京都に入庁した。建設局、知事本局に5年ほど出たこともあるが、それ以外は水道局での勤務だ。2014年から現職。現在は、練馬給水所の他に、主に管径400ミリメートル以上の水道管の新設、取り替えを始め、給水所の耐震補強工事、新設工事など、25件の現場監督を受け持つ。

 谷口が小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「水道局」。

「小さいときからの願いがかないました」

 父も、都の水道局で働いていた。父の仕事ぶりを見て、水道局の仕事に興味を持った。

「幼い頃、水道管が破裂した事故現場で徹夜で対応する父に、家族でおにぎりを作って届けたことがありました。夜中に事故で対応する親父の姿をおぼろげながら覚えています」

 だから、子どものときから水道局に育ててもらったという思いが強い。その恩返しをすることが仕事のモチベーションにもなっている。局の職員として、安全でおいしい水を届ける。現場監督として、事故なく工事を終わらせる。そして課長として、水道の仕事が好きな部下を育てること。26人の部下には、いろいろなチャレンジをしてほしい。

「達成感があったり、成果が出てきたりすると、仕事は面白くなりますから」

 8歳の娘と、5歳の息子の父親でもある。子どもたちもまた、父の背中を追いかける日が来るかもしれない。
(文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(編集部・大川恵実)

AERA 2015年9月21日号


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