子育て世代と祖父母が比較的近くに住んでいる。昔のように盆と正月にだけ、田舎の実家に帰省するというファミリーが減った印象です。仲良し母子からの流れで、近隣に住む親を日常的に賢く頼って、上手に子育てをしている女性が増えています」

 進学や就職のために地方から首都圏に移り住んだ団塊世代。その子どもたちが、都心で親になり、現在子育て真っ最中というケースも多い。「週に数回、困ったときに母親に頼りたい」という女性にとって理想の子育て環境だが、一方で、一緒に過ごすほどに気になることも出てくる。

「2歳の娘に一切与えていなかった炭酸飲料を父が飲ませた」(パート勤務の女性・45歳)
「年長児の息子にリビングでお勉強させていると、遊びにきた義母に“子ども部屋があるでしょ”と言われる。今はリビングで勉強が主流なのに」(専業主婦・37歳)
「義母が大量のキャラクターシール付きの菓子パンを買ってくる。私は無添加のものを選んでいるのに」(専業主婦・47歳)

 出てくるのは“毒”というほど憎んでいるわけじゃないが、ちょっと気になる、ストレスがたまるといったクレーム。前出の西さんは、3世代で長く仲良く付き合うためにも、譲れないことは伝えつつ、祖父母側の負担や気遣いにも配慮が必要と話す。

「ある企業が子育て相談電話を開設したところ、親ではなく祖母から孫育てに関する相談が多くて驚いたと聞きます。娘や嫁に気を使って一生懸命、今の知識を取り入れ、正しい孫育てをしようとしている祖母の気持ちにも理解を」

AERA 2016年1月11日号より抜粋