「不便だけど不幸ではない」認知症の当事者の思い (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「不便だけど不幸ではない」認知症の当事者の思い

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佐藤雅彦さん(61)さとう・まさひこ/1954年生まれ。51歳でアルツハイマー型認知症との診断を受ける。自著『認知症になった私が伝えたいこと』が2015年度日本医学ジャーナリスト協会賞書籍部門優秀賞を受賞(撮影/家老芳美)

佐藤雅彦さん(61)
さとう・まさひこ/1954年生まれ。51歳でアルツハイマー型認知症との診断を受ける。自著『認知症になった私が伝えたいこと』が2015年度日本医学ジャーナリスト協会賞書籍部門優秀賞を受賞(撮影/家老芳美)

 でも、認知症になってから新たに覚えたこともあるんですよ。携帯メールだって、フェイスブックの投稿だって、診断を受けてだいぶ経ってから始めましたが、いまや自分の生活を支える大事なツールです。フェイスブックの友達は千人を超えました。趣味も増え、臨床美術を習って絵をたくさん描いています。昔は美術の成績は「2」だったのにね(笑)。不得意だったカラオケも始めました。

 できないことも多いけれど、残されている能力もたくさんある。便利なものは何でも使う。自分に残された機能を信じて、工夫しながら生活しています。

 認知症になると、何もわからなくなるという誤解がある。それを解いていくことが私の使命と考えています。全国で講演して歩いて、もう100回以上は人前で話したかな。数えたことないからわかりません。

 僕みたいに流暢にしゃべると、「あの人、認知症じゃない」と見られることもある。しゃべれる人は認知症ではないという誤解ですね。当事者は、認知症だけで生きているわけじゃなく、認知症はキャラクターの一部にすぎないと知っていただきたい。

AERA 2015年11月2日号より抜粋


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