「ファンラン」と呼ばれるこの手のイベントは、もはやめずらしくない。目的はその名の通り、楽しく走ること。団体参加のリレー形式だったり、距離が短かったり。初心者や、普段はランニングをしていない人でも参加のハードルは低い。

 なかでも最近増えているのが、ランと観光を組み合わせ、地域のアピールを兼ねたマラソン大会だ。

 なぜか。先月、抽選結果が発表された東京マラソンでは、過去最高の11.3倍を記録。ランニング人口の増加で人気のレースは年々、抽選倍率が上がっている。応募が殺到する都市部のレースを避けて地方も視野に入れ始めたランナーたちと、マラソンを入り口として観光客を呼び込みたい地方との、需要と供給がマッチした形だ。

「ランツーリズム」「地産地走」などと呼ばれることもあるように、もっともわかりやすいのがご当地グルメや地域の特産物との掛け合わせだ。

 スポーツ公園エンジョイランの広報担当者が話す。

「やはり観光促進という一面もあります。地元との一体感を出しながら、みんなで大会を育てていきたい」

AERA 2015年10月19日号より抜粋