「自分を見てくれたうえで、仕事を頼んでくれる。好きな人とだけ仕事ができるわけではありませんが、自分で開拓して広げている感じや、人とのつながりに喜びを感じる人が多いようです」(長谷川さん)

 そんな出会いのきっかけとなるのが、「地域仕掛け人市」。全国各地のNPOなどが
50団体集まり、求人や現地を訪ねるツアープログラムの情報などを提供する。

「『地方にはおもしろい仕事がない、なんて言わせない』という熱い思いを持った人が集まります。仕事をやめずに体験できるプログラムもあります」(同)

 キャリア世代だけでなく、新卒に向けた取り組みも始まった。人材サービスのインテリジェンスが8月24日に情報サイト「LO活(ロ ーカツ)」を開始した。Localと就活を掛け合わせた造語だ。

「いい会社があれば地方でも、という学生は増えている一方で、地方就職に関する情報は集約されておらず、具体的な活動に移しにくい実態がありました」(インテリジェンス地方創生推進1部の柳沢恵美子さん)

 求人情報の掲載はせず、地域との接点、企業との接点をつくることを重視していく。

 新卒の場合、キャリアを積んでからの転職に比べて「田舎暮らしがしてみたい」など、動機がぼんやりしていることが多い。なぜ地方に行きたいのか、そこで何をしたいのか、目的意識を持つことが大切だと柳沢さんはアドバイスを送る。

AERA  2015年9月14日号より抜粋