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「日本で起業」にはメリット多い? アメリカ人兄弟が日本選んだ理由

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コースベースジョン・マーティンさん(32)ビリー・マーティンさん(29)ニューヨーク勤務だったジョンさん(左)と東京勤務のビリーさんらが開発したシステムの販売会社を、2012年に東京で設立。兄弟は共同代表取締役(撮影/写真部・堀内慶太郎)

コースベース
ジョン・マーティン
さん(32)
ビリー・マーティンさん(29)
ニューヨーク勤務だったジョンさん(左)と東京勤務のビリーさんらが開発したシステムの販売会社を、2012年に東京で設立。兄弟は共同代表取締役(撮影/写真部・堀内慶太郎)

 アメリカには「◯◯ブラザーズ」と称する有名企業が少なくない。きょうだいは起業に向いているのか?  日本で起業したアメリカ人兄弟の場合は、こんないきさつだった。

 ジョン・マーティンさんとビリー・マーティンさんの兄弟は企業の研修管理システムを提供するベンチャー「コースベース」を3年前に起業した。アメリカで起業というとシリコンバレーのイメージだが、彼らがその舞台として選んだのは日本。いきさつはこうだった。

 ニューヨークの大手資産管理会社「ブラックロック」に勤めていた兄のジョンさんが、社内で使われていた研修管理ソフトウェアの使い勝手の悪さに辟易(へきえき)。休みの日に「半分趣味で」(ジョンさん)、使いやすいソフトウェアを自ら開発し始める。

 やがて、クレディ・スイス証券の日本支社に勤めていた弟のビリーさんと、その幼なじみもネットを通じて開発に加わり、コースベースと名付けた研修管理のシステム開発が動きだした。

「気がつけば兄弟で一緒に開発をしていましたね。父が外交官だったため、うちは引っ越しが多い家庭。そのせいか、小さいころから弟と共同作業をするのが日常だったというのはあるかもしれません。たとえば新しい家のベランダを、何週間もかけて2人で作り直したりね」

 兄が11歳、弟が8歳のときには、早くも兄弟ビジネスに乗り出したこともある。ワシントンDC郊外に引っ越したときのことだ。

「近くに工事現場が多いことを知り、暑い日に2人でレモネードを手作りして、あちこちの現場に1杯25セントで売り歩いたんです。これがすごい売れ行きで、みるみるうちに完売。最初のビジネスは大成功のうちに終わりました」(同)

 完成したソフトウェアを手に、兄は弟のいる東京へ。共同開発者である友人も加わって、3人の貯金を元手にソフトウェア「コースベース」を提供するベンチャー企業、コースベース株式会社が、東京で誕生した。

 ベンチャーの本場アメリカではなく、日本でわざわざ起業したのは、一足先に来日していた弟のビリーさんがよく知る国だったのはもちろんのこと、多くのメリットがあったからだ。

 たとえば東京のコンパクトさは、フットワーク命の起業家にとってはメリット。時刻表どおりにやってくる電車で移動すれば、一日に何件もの営業先を回ることができた。無数のベンチャー企業がしのぎを削り、いいビジネスはすぐにマネされて埋もれてしまうアメリカと違い、じっくりと成功のチャンスを探れることも日本での起業の魅力だった。

AERA  2015年8月17日号より抜粋


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