社会学者の水無田気流さん(右)を司会役に、4人の男性が語り合った。みんなおしゃれでカッコよく、コミュニケーション能力も高い(撮影/工藤隆太郎)
社会学者の水無田気流さん(右)を司会役に、4人の男性が語り合った。みんなおしゃれでカッコよく、コミュニケーション能力も高い(撮影/工藤隆太郎)
過去に結婚しようと思った相手がいると口をそろえる。かつての恋愛経験が美化され、「越えられないハードル」として大きく横たわる(撮影/工藤隆太郎)
過去に結婚しようと思った相手がいると口をそろえる。かつての恋愛経験が美化され、「越えられないハードル」として大きく横たわる(撮影/工藤隆太郎)
Aさん(43)外科医。都内で一人暮らし。家具はIKEAで揃える。趣味は読書。夕食はカップラーメンの日々。年収は約1500万円(撮影/工藤隆太郎)
Aさん(43)
外科医。都内で一人暮らし。家具はIKEAで揃える。趣味は読書。夕食はカップラーメンの日々。年収は約1500万円(撮影/工藤隆太郎)
Bさん(36)コンサルティング会社勤務。都内で一人暮らし。遠方の取引先が多く、土日関係なく駆け回る。年収は約1100万円(撮影/工藤隆太郎)
Bさん(36)
コンサルティング会社勤務。都内で一人暮らし。遠方の取引先が多く、土日関係なく駆け回る。年収は約1100万円(撮影/工藤隆太郎)
Cさん(38)IT系会社勤務。趣味はゴルフ。社会人になって学校に通い直し、転職を経て現職。母親と2人暮らし。年収は約600万円(撮影/工藤隆太郎)
Cさん(38)
IT系会社勤務。趣味はゴルフ。社会人になって学校に通い直し、転職を経て現職。母親と2人暮らし。年収は約600万円(撮影/工藤隆太郎)
Dさん(37)サービス業。都内で一人暮らし。料理が得意で、会食がない日は3食手作り。お菓子作りが趣味。年収は約900万円(撮影/工藤隆太郎)
Dさん(37)
サービス業。都内で一人暮らし。料理が得意で、会食がない日は3食手作り。お菓子作りが趣味。年収は約900万円(撮影/工藤隆太郎)

宝の山ここにあり。こんな高スペック男子が独身だなんて! それもそのはず。聞いてみると、結婚の条件とこだわりポイントが山積みで……。(構成/編集部・柳堀栄子)

水無田気流さん 見たところみなさんモテそうですよね。なのに結婚していない。今までに結婚したいと思ったことはありますか?

Aさん 僕は2回したいと思ったことがあります。1回目は医学生のとき。でも学生結婚は難しいと思って諦めました。もう1回は3年前。僕は医者家系で、医者の娘と結婚してほしいと両親に言われていたから、猛反対されたんです。でも、親の意向は無視して結婚しようと決意し、彼女に連絡をしたときには、時すでに遅しで結局別れてしまいました。

Bさん 僕も地方出身の長男だから、親戚からは必ず地元の人と結婚して家を守りなさいと小さい時からずっと言われ続けているんです。会計士と税理士の資格を取って地元の県庁に勤めなさいと。結婚を考えたのは27歳のとき。東京で3年付き合っていた彼女と結婚しようと思ったのですが、ちょうど僕が昇進したタイミングと同じで。任された仕事を責任をもってやりたいと思った時期と重なった。僕が土日休みじゃなくなって、出張も続いたので全然会えなくなって、歪みができてしまいました。なんで僕の仕事の事情を理解してくれないかな、と思ってしまいましたね。

●女性は「3年」が限界

Cさん 僕も32歳のときに3年付き合った彼女がいて。でもその頃の僕は転職活動真っただ中で結婚を考える余裕がなかった。彼女は「3年付き合ってプロポーズされなかったら別れる」と決めていたようで、誕生日の日に突然の別れの電話がきました。

Aさん 泣きつかなかったんですか?

Cさん 「半年後に結婚しよう」と言ったけれどダメでした。それまでに「家族が欲しい」とやんわり言われてたけど、僕が濁していたので、彼女としてはもう限界だったみたいです。

Dさん 女性って、恋愛スイッチが一度OFFになったらもう二度とONにならない。それどころか、そのスイッチの棒をへし折りますよね。男性は仕事のこととかあって、すぐには結婚の決断ができないんですが、その迷いを許してくれない。僕もかつて結婚話が出た彼女がいるのですが、彼女は別れた3カ月後に別の彼氏をつくり、その1カ月後に結婚しましたとフェイスブックにアップしていて、唖然としました。おそらく僕と付き合っていた最後のほうって、重なってた男性がいたのかなと。

Cさん 後輩女子に、常に10人くらいの「友達以上彼氏未満みたいな男性」のストックを持っている人がいました。まるで鵜飼いみたいに……。

Dさん 一日4件の合コンをこなしているという女性もいましたよ!

水無田さん 統計でみると結婚する相手との交際年数は平均4年です。結婚準備に1年かかると考えるから、女性は「3年」がリミットのようです。そこで決断しない男性なら「なし」となる。みなさんが経験した「3年付き合った彼女との別れ」はまさにこれですね。でも女性の気持ちを代弁するなら、男性が全然結婚したがらないという意見もあります。みなさん、今はどれくらい結婚したいですか?

●直球で年収は引く

Aさん・Bさん 100%です。

Dさん 90%。子どもが欲しいので。自分の赤ちゃんのときの写真を見たら可愛くて欲しくなりました。

Cさん 僕は50%くらい。会社には若くして結婚した人もいるけど、30代になって離婚した人もいる。離婚理由は、手もつながないし、話もしない。子どもがいると、旦那はお金を持ってくればよくてあとは用済みだから。そんな話を聞くと、結婚に価値があるとは思えない。最近はひとりの老後をどうやって過ごすか考え始めました。

Bさん 女性は現実的ですからね。

Cさん 今の女性たちは、職業とか、年収を男性に期待するから合コンでもずけずけ聞いてくる。「職業とか収入なんてなんでもいいから、頑張っている男性が好きだ」と言ってくれればいいのに。

Dさん いますよね。合コンで「年収どれくらい?」と直球で聞く女性。あれは正直引きます。「もしあなたがリストラされても、私が稼ぐから大丈夫だよ」って言ってくれるほうが、守りたいっていう男魂に火をつけると思うんだけど。「リストラされたら、そんな泥舟からは逃げる」と答えた女性がいて、正しいのかもしれないですが、ちょっと驚きました。

●忙しくても笑顔の人

Aさん でも逆に女性に年齢を聞くと怒られますよね。紹介したい子がいると言われて「可愛くて料理がうまい子だよ」と言われたから「年は?」と聞いたら、「年をストレートに聞くなんて失礼です」とメールがきた。紹介されるからには事前にちゃんと知っておきたかったのに。僕は医者で不妊治療の大変な状況とかを見聞きしているので、自分の年齢を棚に上げて本音を言うと、結婚する相手の女性は30代前半までがいいと思いますね。

水無田さん 結婚相手について「女性は年収、男性は年齢」を気にするという話が出てきましたが、結婚するなら、どんな女性がタイプですか?

次のページ