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日本企業「国際ブランディング」の場 ミラノの見本市

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レクサスコンセプトカー LF-SA(撮影/佐久間裕美子)

レクサス
コンセプトカー LF-SA(撮影/佐久間裕美子)

自然を表現した空間にあわせた食体験をシェフの米田肇氏がデザインしたインスタレーションを展示した(撮影/佐久間裕美子)

自然を表現した空間にあわせた食体験をシェフの米田肇氏がデザインしたインスタレーションを展示した(撮影/佐久間裕美子)

 イタリア・ミラノで毎年4月に開かれる「ミラノサローネ国際家具見本市」。近年は分野を広げ、日本企業の「国際的ブランディングの要」的存在だ。

 1961年以来、毎年開催されてきた家具見本市で、家具やデザインの世界では「ミラノサローネ国際家具見本市」として知られるが、近年は分野をどんどん拡大。特に見本市会場の外で開催される「フォーリ・サローネ(サローネの外の意)」は、自動車からクラフトまで、デザインの要素を持つありとあらゆるメーカーやブランドが、「ここ一番の作品や商品を発表する場」と認識されるようになってきた。

 この4月のミラノサローネで「フォーリ・サローネ」に参加したレクサスの展示の、全体のタイトルは「ア・ジャーニー・オブ・ザ・センシズ(五感をめぐる旅)」。視覚と聴覚に頼ってきた過去の展示を踏まえ、車に乗ることで感じる五感の感触を超える感覚を「食」という手法を使ってデザインしようという試みで、公式コンペ「ミラノ・デザインアワード」でベスト・エンターテイニング賞を受賞した。

 海外進出に力を入れる日本の企業や組織、デザイナーやクリエーターにとって、ミラノサローネはいまや、自らの力を試す一流の舞台でもあり、国際的ブランディングの要。日本文化に対する各国の「IQ」が上がっている昨今、日本を代表するメーカー各社はどんな展示をしているのか。ミラノの街の広域に点在する日系メーカーのブースを訪ね歩いた。

 デザインアソシエーションNPOが主催した「TOKYO DESIGN WEEK」は、コンテンツ海外展開等促進基金(J -LOP)の助成を受けて、「江戸×原宿」をテーマに据えた。

 海外のアーティストを招聘した浮世絵がテーマの絵画展、中田英寿氏がプロデュースした日本酒バー「サケノミー」のほか、東京の作り手およそ30組を紹介するなど、食、アート、ファッションといった多分野で「ジャパン」や「和」を前面に押し出した。

 近年、デジタル・サイネージ(電子看板)の開発に力を入れるガラスメーカーの旭硝子は、初めての出展。映像を投影することのできるスクリーン「グラシーン」と、ガラスに液晶ディスプレーを張り合わせた「インフォベール」というふたつの新商品を使い、「グレイシア・フォーメイション(氷河の形成)」と題したインスタレーションを出品した。

 見る人は、幻想的なイメージが投影されたガラスの通路を歩く。演出とテクニカルディレクションを手がけたのはルフトツークを率いるアートディレクターの遠藤豊氏だ。彼は言う。

「ガラスは、今、スマートフォンやコンピューターなど、日常的に使われる商品に欠かせませんが、この商品だとガラス自体から情報を引き出すことができるようになるのです」

AERA 2015年6月15日号より抜粋


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