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95万円の車いすに予約殺到 背景にエンジニアの決意

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WHILLモノづくりに執念を燃やす人々が掲げた理想のプロダクト。高齢化社会に向けて、駅や遊園地など、公共機関での活躍が見込まれている(撮影/写真部・松永卓也)

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モノづくりに執念を燃やす人々が掲げた理想のプロダクト。高齢化社会に向けて、駅や遊園地など、公共機関での活躍が見込まれている(撮影/写真部・松永卓也)

 人との出会いは時に化学反応を起こす。エンジニアの志が育んだ人脈が、ものづくりへとつながったケースを紹介する。

 車いすの概念を覆す、まったく新しい車いすを開発したい──。そう考えるようになったきっかけは、ある足の不自由な20代の若者との出会いだった。

 WHILLのCEO杉江理(33)が、健常者であればさして気にもとめない数センチの段差を、既存の電動車いすが克服できない事実を知ったのは5年前。杉江は日産自動車のデザイナー出身。当時杉江は、中国・南京で日本語学校の教師として働いた後、途上国でのボランティアを体験。自身の次なる活躍のステージを探していた。そんな矢先、車いすユーザーにとって「第2の足」であるはずの車いすは、当事者にとってポジティブにとらえにくいものであるという現実を知る。

「社会に存在する段差や傾斜といった物理的な要因とはまた別に、車いすに乗ることは、周囲から『病人みたいでカッコ悪い』と思われてしまうのではないかという恐怖心がある。そんな当事者たちのイメージを払拭するような、スタイリッシュで、機能的な、これまでにない車いすを開発しようと決心したのです」

 この時、技術者魂に火がついた。この思いを実現するために杉江が頼った人脈こそ、創業メンバーである福岡宗明(32)と内藤淳平(31)だった。


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