電波望遠鏡アルマがとらえた宇宙 死にゆく星の音を聴く (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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電波望遠鏡アルマがとらえた宇宙 死にゆく星の音を聴く

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星雲(写真:JAXA)

星雲(写真:JAXA)

比類なき望遠鏡が観測した画像を、音楽として「聴ける化」する。ネットでの資金集めに成功し、ロマン溢れるプロジェクトが走りだした。(編集部・内堀康一)

 南米・チリのアタカマ砂漠。標高約5千メートルの高原に、 66機の巨大なパラボラアンテナが点在する。これらを組み合わせて一つの電波干渉計として機能させると、131億年前の原始宇宙が見える。世界最大級の電波望遠鏡・ALMA(アルマ)だ。

 日本は21の国と地域による国際プロジェクトの中心的メンバー。晴天が続く「最も宇宙に近い場所」を探し当てたのも、日本の天文学者たちだった。

■観測成果は人類のもの

 アルマは2011年から、宇宙の始まりや星の生き死に、銀河の誕生など「私たちはどこからきたのか」という根源的な問いの答えを探す。だが、最大視力“6000.0”という強力な目で見つめてきたものは、私たちに十分共有されてはこなかった。だからこそ、

「観測成果を天文学者のものだけにしておくのではなく、人類全体に還元したい」

 と、国立天文台の天文学者でアルマの広報を務める平松正顕(まさあき)さん(34)は考えてきた。

 では、どうすれば天文に関心がない人を惹きつけられるのか。平松さんの相談に乗ったのは美術展やコンサートを手掛けてきたプロデューサーの林口砂里(さり)さん(46)だ。

「宇宙を知ることは、自分たちを知ること。アルマの成果は、私たちにとっても重要なんだ」

 アルマの話を聞いた林口さんは奮い立った。

 すぐさま、トヨタ自動車やグーグルのグローバルキャンペーンを手掛けたクリエイティブディレクターの川村真司さん(35)に協力を要請。宇宙に強い関心があった川村さんは快諾する。

 数々のアイデアの中でメンバーをうならせたのが、アルマが観測した星から発されるデータをディスクオルゴールに落とし込み、「聴ける化」しようという試みだった。その素材にするのは、950光年離れた宇宙に浮かぶ、死にゆく恒星。太陽の2倍ほどの質量を持つ「ちょうこくしつ座R星」に決まった。


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