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加害者「優しさのつもり」がDVに 精神的暴力の実態

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 DV被害の相談が増えている。特に精神的な暴力の場合は、被害実態が見えづらく、加害者自身も暴力を振るっている自覚すらない。どうすれば更生に結びつけることができるのか。

 神奈川県内に住む30代の妻が夫のDV(ドメスティック・バイオレンス)を意識するようになったのは4年前だった。

 交際を始めた大学時代からずっと、夫はささいなことで数時間、妻に説教をする癖があった。たとえば車に一緒に乗っていて、運転する夫から、「晩ご飯は外食にしようか、決めて」と急に言われ、妻がすぐに答えられないでいると、そのまま外食をせず自宅に帰り、夫から、「なんで決めなかったんだ」と、声を荒らげての説教が始まる。

 妻が泣き、数時間が経ち、妻がやっと「ごめん」と言うと、また怒る。何をしたらこの時間が終わるのか見えない、その繰り返しだったという。こうした行為を夫は、「食事作りの家事をしないで済むんだし、相手に決めさせてあげる優しさのつもりだった」と振り返る。

 この関係に疑問を抱いた妻が反論するようになると、説教の頻度は月1から週1に増えた。関係改善が望めないと判断した妻は、これはDVだと告げ、離婚を突きつけた。夫は自主的に、DV加害者の更生支援をする団体が提供する更生プログラムに、ほぼ毎週1年以上通った。夫はいまこう言う。

「生まれ変わる機会をもらった。自分が思っていた以上に妻を深く傷つけていたことを知った」

 反省と妻への謝罪を口にする。長年続いた説教もなくなり、妻も夫の態度に変化を感じる。家事も、以前は100%妻だったが、いまは掃除や洗濯、夕飯の支度などの9割を夫が担当。夫は会社の取引先からも、人が丸くなったと言われるという。

AERA 2015年2月23日号より抜粋


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