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【ニッポンの課長】日本航空「シートはもう一人の自分」

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日本航空「シートはもう一人の自分」日本航空 顧客マーケティング本部 商品サービス開発部 企画グループマネジャー 末崎裕介(46)撮影/写真部・外山俊樹

日本航空
「シートはもう一人の自分」

日本航空 顧客マーケティング本部 商品サービス開発部 企画グループ
マネジャー 末崎裕介(46)
撮影/写真部・外山俊樹

 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回は日本航空の「ニッポンの課長」を紹介する。

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*  *  *
■日本航空 顧客マーケティング本部 商品サービス開発部 企画グループ マネジャー 末崎裕介(46)

 国内線、新クオリティ。──そんなキャッチコピーで日本航空(JAL)が5月28日から、羽田-福岡線を皮切りに新プロジェクト「JAL SKY NEXT」を始めた。「嵐」を起用したCMやポスターを見た人も多いことだろう。まずは機内インテリアを全面刷新。その陣頭指揮を執るのが、商品サービス開発部の企画グループマネジャー、末崎裕介だ。

 不要な部分を除き、座席のひざ周りの間隔を従来よりも最大で約5センチ広げた。そして何より、シート素材を高級感のある黒の本革に変えた。

「革は、見た目や触り心地の点で布地にはない魅力がある。ただし、座ったときに滑る傾向があるんです」

 クッション性を損なわず、いかに人体を“ホールド”する感覚を持たせるか。営業や客室など各部署の意見を調整しながら、テストを繰り返した。

 JALは「2016年度までに顧客満足度世界一」の目標を掲げている。今回のプロジェクトは、その一里塚。社内全体に気負いが感じられるなか、「シートの色は黒ではない方がいいのではないか」など、いろいろな案が出された。話がまとまらないとき、末崎がつねに頭の中心に置いたのは、

「お客さまだったらどう思うか」

 青山学院大大学院理工学研究科を修了後、1992年、JALに入社した。情報システムや空港部門が長かったが、8年前にいまの部署に配属された。これまでもシートの開発に携わってきたが、これほど大がかりなプロジェクトは初めてだ。開発には18カ月を要した。

 末崎にとってシートとは何か。問うてみた。

「分身のようなものです」

 即座に答えが返ってきた。そんなもう一人の自分が乗客を包み込み、各地へ運ぶ。

「そう考えると、感慨深いですね。案外、自分にも包容力があるのかな」(文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(ライター・岡本俊浩)

AERA 2014年6月30日号


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