本来、PTA会費はPTAに加入した会員だけが払うべきものだが、こうした流れでほとんどの保護者が素直に支払っている。横浜市に住む専業主婦の女性(50)の子どもが通う公立高校も、PTA会費は口座からの自動引き落としだ。PTA役員になったとき、会費の使い道の不透明さが気になった。役員の中に、日付の記載がない怪しい領収書を利用しようとする人もいたからだ。

 そこで、PTA会費明細をチェックしたところ、拘束時間の記録すらない活動に出した昼食代、入学式生花代3万円、教職員の名刺印刷代1万500円など、PTA会費として払わなくてもいいと思えるような用途も並んでいた。

「公費で払うべき学校経費や、無駄な飲食費にPTA会費が使われているのでは」

 口座振替による会費の徴収は、集金袋による徴収よりさらに“何にいくら使われるか”という意識が薄くなりがちだ。この女性はPTAを退会したが、その後も学校からの引き落としがある銀行口座は常に残高ゼロにして、納得できない引き落としを防いでいるという。

AERA 2014年8月4日号より抜粋