外国人観光客からはすこぶる評判がいい国、日本。しかし一方で、長期間滞在する外国人からは、戸惑いや不満の声も。

 ワールドカップのたび世界を旅する海外のサポーターたちに、こんなことを言われる。

「日本は最高のホスト国だったなあ」

 日韓が主催国だったのはかれこれ12年も前のことだ。サッカーを見にたまたま日本を訪れた人の心をつかんだのは、日本人のホスピタリティーと快適な環境だった。

 親切でフレンドリー。インフラが整っていて利便性が高い。短い期間に日本に滞在する人たちの評価はすこぶる高い。

「道がわからなくて困っていると、熱心に案内してくれる」(中国出身の瑠璃さん)というふうに、困っている人に進んで手をさしのべる姿勢は「歓迎の意」ととらえられた。

 ところが実際、長期にわたって日本に住むと印象が変わる。それまでの好評価が、コインの表裏のように真逆になることもある。親切だと思っていた人たちは「心を開いてくれない」。インフラはしっかりしているのに、「日本語ができないと不便を強いられる」というふうに。

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