アベノミクスで株価が大きく値上がりした2013年。午年の14年、このまま株価は上がり続けるのか。市場には楽観論があふれている。

 武者リサーチ代表の武者陵司氏は、強気の見通しで、

「2014年は日経平均2万2000円までいくと考えています。これからの株価上昇は、バブルでも一過性の出来事でもなく、日本株大復活の始まりにすぎません。東京五輪に向けて、日本株は過去最高値である4万円台も視野に入れ、大幅に上昇する可能性があります」

 武者説はこうだ。米国経済は、株高、住宅価格の回復、シェールガス効果によって本格的な成長軌道に乗り、欧州も南欧諸国の対外赤字が解消して景気回復が確実になる。よって、世界的に株高が進む。なかでも注目は日本。鍵となるのは、円高の解消と、長期デフレからの脱却なのだという。

「日本経済が良くなるには、円安が進まなければダメです。白川方明(まさあき)氏が日本銀行の総裁だったときの金融緩和は、米国や欧州に比べて量が少なかった。だから、円高になるのは明らか。ようやく諸外国に肩を並べる緩和の規模になって、円安が進んできたのだと思います。円安が進めば企業収益が上がり、賃金も増えます」

 力強い限りなのだが、そんなに楽観的でいいのだろうか。いまの景気を下支えしているのは、財政出動による公共事業だ。日銀の金融政策にしても、いつ息切れするか分からない。弾切れを起こせば、市場は簡単に手のひらを返すだろう。米国は金融緩和の縮小に踏み出したが、失敗した場合、米国株安→円高ドル安→日本の輸出企業が業績悪化→日本株の下落という展開だってあり得る。

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