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受験の合格点すら違う 中国・都市と農村で戸籍格差

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AERA#中国
丹羽宇一郎氏(右)、阿古智子氏(左)、任哲氏(中)が、中国の今と将来について話し合った(撮影/高井正彦)

丹羽宇一郎氏(右)、阿古智子氏(左)、任哲氏(中)が、中国の今と将来について話し合った(撮影/高井正彦)

丹羽宇一郎元駐中国大使にわ・ういちろう/1939年生まれ。62年、伊藤忠商事入社。一貫して食料畑を歩み、98年に代表取締役社長に就任。2004年会長、10年取締役相談役。同年6月に駐中国大使に就任。昨年12月に退任した。著書に『負けてたまるか! 若者のための仕事論』など(撮影/高井正彦)

丹羽宇一郎
元駐中国大使

にわ・ういちろう/1939年生まれ。62年、伊藤忠商事入社。一貫して食料畑を歩み、98年に代表取締役社長に就任。2004年会長、10年取締役相談役。同年6月に駐中国大使に就任。昨年12月に退任した。著書に『負けてたまるか! 若者のための仕事論』など(撮影/高井正彦)

阿古智子早稲田大学国際教養学部准教授あこ・ともこ/1971年生まれ。現代中国の社会変動を主な研究テーマに、多くのフィールドワークを行なってきた。著書に『貧者を喰らう国 中国格差社会からの警告』(撮影/高井正彦)

阿古智子
早稲田大学国際教養学部准教授

あこ・ともこ/1971年生まれ。現代中国の社会変動を主な研究テーマに、多くのフィールドワークを行なってきた。著書に『貧者を喰らう国 中国格差社会からの警告』(撮影/高井正彦)

任哲アジア経済研究所研究員にん・てつ/1978年、中国吉林省生まれ。2001年北京大学政治学部卒業。専門は現代中国政治。著書に『中国の土地政治:中央の政策と地方政府』(撮影/高井正彦)

任哲
アジア経済研究所研究員

にん・てつ/1978年、中国吉林省生まれ。2001年北京大学政治学部卒業。専門は現代中国政治。著書に『中国の土地政治:中央の政策と地方政府』(撮影/高井正彦)

 貧富の格差がかねてより問題視されている中国。その差は拡大しているといい、さらに純粋な所得の差だけでなく、戸籍による格差も大きいという。丹羽宇一郎・元中国大使と、新進気鋭の中国研究者・阿古智子氏、北京大を卒業し現代中国政治を専門にする任哲(にん てつ)氏が対談した。

*  *  *
丹羽:(中国の)格差を是正しようとすると、戸籍制度に手をつけなければならない。本人の努力にかかわりなく、生まれた場所による戸籍を死ぬまで変えないという、農村戸籍と都市戸籍の区別は、明らかに現在の格差の最も大きな原因だと思います。

阿古:中国の格差の大きさは、日本では想像できないほどです。実質的な所得の差だけでなく、生まれながらにして決まる格差が戸籍問題です。自分の親が農村戸籍なら自分もそれを受け継ぐということです。大学入試でも、北京、上海、広州など大学の多い都市部では、地元の戸籍を持つ子どもたちを中心に採る体制になっている。農村戸籍の人がそうした都市部の大学を受験しても、都市戸籍の人とは合格点数も入試問題自体も違います。

任:北京大学の新入生の中で、農村戸籍の人は数年前から2割を切っていると思います。私が吉林省から北京大学に入った1997年は、少なくとも4割ぐらいの同級生は農村戸籍でした。それでも、吉林省の農村地域から北京大学に入るには、とても苦労しました。

阿古 今、大都市にある大学では農村出身の人はクラスに1人いるかいないかじゃないでしょうか。

任:昔は農村出身でも秀才であれば大学に入れました。戸籍に関係なく大学受験は平等だったのです。しかし今は学費が値上がりし、秀才でも家にお金がないと大学に行けないのです。

AERA 2013年4月1日号


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