相手を怒らせることだったり、失礼な態度をとったり、へりくだったりといろんなパターンで他人と会話して使った、二流のテクニックも本の中に入れました。

「こんな議論のテクニックなんかに頼るのは間違ってる」とか「真心こめてわかり合えれば、きっと人は通じ合えるはずだ」とか思い続けて、人生を全うできるなら、それはそれはとても素晴らしいことだと思います。

 とはいえ、こんな文章に目を向けてしまう人や社会で生きている多くの人は、自分がいくら正しい行いをしたとしても、要領よくやってる不誠実な人のほうが上手くいってるのを目にしちゃってたりすると思います。

 現実ってそんなもんで、真実や正義で物事が決まるわけじゃないんですよねぇ……。

 さてさて、ずっと二流の説得テクニックの話をしましたが、「じゃあ、一流のテクニックってどんなの?」って疑問が頭の片隅にあると思います。

 今回の文章も読者を説得する方法の一つで、本書に興味を持ってもらうために書いてるのですね。なので、ここで、「詳細は本書をどうぞー」ってのが、オチになるパターンなんですが、それも阿漕なので本書の中で書いてる「一流のテクニック」について説明します。

 例えば、患者さんが「相談したら気持ちが楽になります。ずっとお世話になってます」ってタイプが優秀なカウンセラーだと思ってしまう人が多いと思います。

 本当に優秀なカウンセラーは、一回相談するだけで「そもそも相談に来る必要もなかった」って思って、二度と患者さんが来ないカウンセラーだったりするのですね。

 まぁ、営業的には二流のカウンセラーのほうが儲かったりしますけど……。んだから、本書は二流のテクニックである『論破力』ってのが主眼のようなタイトルになってるのですね。とはいえ、『論破力』を発揮してる時点で、相手は論破されたと思ってしまうので、二流なのです。

「俺は最初からそう思ってた」とか、あたかも、その人がやりたいことだったかのように思い込ませて、自分の思い通りに相手を動かして、自分のコントロール下にあることに気づかせないというのが、一流のテクニックだったりします。そこらへんの詳細は本書をどうぞー。