『汝、星のごとく』凪良 ゆう 講談社
『汝、星のごとく』凪良 ゆう 講談社

本日4月12日、全国の書店員が選ぶ「本屋大賞2023」が発表され、凪良ゆう(なぎら・ゆう)さんの『汝、星のごとく』(講談社)が大賞に輝きました。

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同作は、風光明媚な瀬戸内の島で出会った男女のおよそ15年にわたる恋愛を描いた作品。付き合っている男性を追いかけてきた恋愛依存症の母親に連れ添われて転校してきた青埜櫂(あおの・かい)と、父親が2年前に外に女性を作って出て行き、メンタルに病を抱えるようになった母親と暮らす井上暁海(いのうえ・あきみ)の2人。互いにシンパシーを感じ、やがて付き合い始めますが、高校卒業後は東京と島の遠距離恋愛をスタート。19歳、22歳、25歳......最終的には32歳まで、交互の視点で暁海と櫂の物語が描かれていきます。

受賞した凪良さんは、滋賀県生まれの小説家。もともと漫画家志望で、ボーイズラブ作品を10年以上書き続けてきました。ボーイズラブジャンルでの代表作には『美しい彼』シリーズなどがあります。2020年には『流浪の月』(東京創元社)で本屋大賞を受賞。2021年には『滅びの前のシャングリラ(中央公論新社)がノミネートされ、2年連続の本屋大賞ノミネートとなりました。

凪良さんは受賞式で「『流浪の月』で大賞を受賞した3年前はコロナ初年度で、休業になる書店も多く、本屋大賞授賞式も開催されず、私は会場にすら辿り着けなかった受賞者になってしまいました。応援してくだった書店員さんに直接お礼を言えなかったこと、喜びをわかちあえなかったことは3年間ずっと悔いになって残っていました。そんななか、昨年『流浪の月』の分まで全国の書店に伺うことができました。3年も遅れてしまって、お礼を言うのが遅くなってごめんなさいと伝えることができました。こんなに多くの書店員さんが応援してくれているんだと実感できました」と涙ながらにコメントしました。

本屋大賞は、出版業界活性化のため、全国の書店員が年に1回、「面白かった」「お客さまにも薦めたい」「自分の店で売りたい」と感じた本を投票で選ぶ文学賞。第20回目となる今回は「2021年12月1日~2022年11月30日に刊行された日本のオリジナル小説」が対象です。発表の様子はYouTubeでライブ配信もされました。

■本屋大賞公式サイト

https://www.hontai.or.jp/