※写真はイメージです (GettyImages)
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 長年仕事をもらってきた雑誌の休刊が決まったり、はたまたAIに仕事を奪われそうだったり。コツコツ経験を重ねてきたベテランライターだって、明日をも知れぬ時代になってきた。50~60代も資格を手にして、どんどん長くなる定年後を生き抜くチャレンジ、してみませんか?

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 例えば、技術者として長年勤めていた馬車メーカーが自動車会社に商売替えすることになったとしよう。馬に引かせる車両のことは知り尽くしている技術者も、エンジンの仕組みについてはほぼ素人。でもこの会社で生き残っていくには、自動車についての学び直しをしなくては……。

 とまあ、かなり大ざっぱなのだが、これが最近よく聞く「リスキリング」だ。再び技術を手に入れるから、Re+スキル+ingで、リスキリングと呼ばれる。

 馬車が自動車に置き換わったのはだいたい100年前の話だが、今はあらゆるものがデジタルに置き換わるDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代。昨年10月、岸田文雄首相が「(DX人材育成などの)リスキリングに5年で1兆円の資金を投じる」と表明し、さらに熱い注目を集めるようになった。

 約30年前には「人生80年」だったのが、今や「100年」に延び、かつての老後は長くなるばかり。人生の武器となり、リスキリングにも役立つ、50~60代におすすめの資格を紹介する。

 社会保険労務士や行政書士、中小企業診断士など自身が持つ多くの資格を組み合わせて中小企業のコンサルタントなどを手がける「はやし総合支援事務所」の代表で、資格ソムリエの林雄次さんによると、社労士や行政書士などは「40代というとむしろ若く感じるほど」。50~60代が有資格者のボリュームゾーンを占めるという。

「社労士などが扱うのは主に人に関わる問題。中高年が資格を取得しその仕事に就いたとき、人生経験が生きてくることも多いのです。反対に大学を出たばかりの人が、『問題社員をどう解雇したらいいか』などという相談に乗るのは、難しいケースもありますね」

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