日本ハム、あれは可哀想だよね。聞いた? 新球場の話だよ」

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 野球ファンがWBCで盛り上がっている裏で球界OBが話題にしているのは、日本ハムが今季から使用する新球場「エスコンフィールド北海道」。

 3月14日に初めてのオープン戦となる西武戦に使用され、かつてメジャーでもプレーした西武の松井稼頭央監督が「雰囲気もロッカーも本当にメジャーって感じで凄い!」とコメントしていた、あの新球場だ。MLBの球場を参考に臨場感を重視して設計されたが、本塁からバックネットまでの距離が50フィート(約15メートル)で公認野球規則に定められている60フィート(約18メートル)より短いため、昨年11月、改修を前提に今季から使用できることになった。それが6日、日本ハムが日本野球機構(NPB)に「野球振興協力金」を払うことで現状のまま使用できる、と変わったのだ。

「それそれ。日ハムが払う野球振興協力金の額は非公開だけど、3億円以上だとか、最初は10億円払うようにと言われたとか、噂が飛び交ってる。それを聞いて思い出すのは長嶋巨人と王ダイエーが対戦した2000年の日本シリーズ前、12球団は期間中の本拠地を確保しておかないといけないのにダイエーが福岡ドームを貸し出してることがわかって(笑)、NPBは罰金3千万円を課した。単純に比べられないけど、桁違いだから驚くよ」

 この問題、まず、公認野球規則では60フィート以上を「必要とする」となっているが、原文のアメリカの公認規則の表現は「recommended」。「推奨する」というのが正しい訳だから、そもそも、そんなに強制力はないはず、という指摘がある。その点に関してNPBは「検討する」としているそうで、今後、この部分の表現が改められる可能性もあるのだ。何とも釈然としない話だが、マスコミ関係者に聞くと、こんな反応が。

「この件に関してのNPBの会見は7日の17時からでね。さあWBC開幕、ってタイミングでしたから、何で今? ドサクサ紛れに発表して、うやむやにしたいの?と勘繰ってしまいました」

 日本代表の侍たちが堂々と活躍しているというのに、日本球界は……。(今川秀悟、AERA dot.編集部・太田裕子、渡辺勘郎)

週刊朝日  2023年3月31日号