沢田研二主演映画「土を喰らう十二ヵ月」の劇場公開日が11月11日に決定し、特報ムービーとメインビジュアルが解禁された。本作は水上勉のエッセー「土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―」が原案。長野の山荘を舞台に、沢田が演じる作家「ツトム」と松たか子演じる担当編集者で25歳年下恋人の「真知子」との“食”を交えた交流や、四季折々の自然の恵みについて描く。
今回発表されたムービーにおさめられたのはツトムが真知子のためにお茶を点てるシーンや、二人肩を並べて出来上がったばかりの若竹煮をほおばるシーンなど。広報担当者に聞いたところ「今回のムービーは食に特化した形でまとめました。男性が女性のためにお茶を点てるシーンって珍しいですよね。その流れでツトムを見つめていた真知子が思わず『いい男ねぇ……』とつぶやき、ツトムが『せやろ?』と応じるのがとても素敵だと思いました。
また、耳を澄ませばお茶を点てる音、炒め物をする音、料理を噛みしめる音など美味しい音がいっぱい聴こえることに気付いてもらえると思います。眼だけでなく五感で作品を想像できるムービーになっているんじゃないでしょうか」とのこと。
本作は料理担当として料理研究家の土井善晴が参加していることでも話題だ。「若竹煮を食べるシーンの撮影には私も立ち会ったのですが、本当にすごくいい雰囲気で撮れていて中江(裕司)監督や関係者たちもお気に入りなんです。若竹煮は土井さんが監修して沢田さんと作ったもの。撮影後にみんなでいただいたんですが、本当に美味しかったです」(広報担当者)
特報で公開された沢田の「せやろ」はファンの間でも話題に。SNSでは「この“せやろ”でキュン死した人何人いるだろう」「世界一かっこいい"せやろ"でしたね~」と盛り上がっていた。
筆者にとって印象的だったのはメインビジュアルに記された「喰らうは生きる 食べるは愛する いっしょのご飯が いちばんうまい」というフレーズ。このフレーズを頭に入れた上でムービーを見れば、本作は老境に至るも決して枯れないツトムと、中年に差し掛かる女性ならではの艶やかさをまとった真知子が織りなすラブストーリーなのだと理解できる。