ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬のフルフルくんです。

【写真】こんな姿見たことない! 枯れ葉をやさしく抱えて立ち上がる猫

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 ある日、夫が言った。「犬を飼おう。最後のプレゼントだ」

 昔は子育てをし、働きながらダックスフント、ヨーキー(ヨークシャーテリア)、アヒル3羽を飼い、にぎやかな生活だった。

 子供たちが成人して母と義母を見送り、夫婦2人になった時はもう子犬を飼う年齢は過ぎていた。あきらめていたが、夫の言葉でにわかに目の前が広がった。

 さっそくネットで物色。お目当てのヨーキーは最近はやっていないらしく、遠くのペットショップまで出かけていった。

 その子は他の子に比べて大きく、もう4カ月になっていた。しかし私たちは気に入って即決。ワクワクして帰途についた。

「子犬を飼うことにした」と言うと周囲は、「その年で!」「どうせなら保護犬のほうがいいのに!」。

 そんな反応にもめげず、2人と1匹の生活が始まって4年。もはやフルフル(写真、雄、4歳)のいない暮らしは考えられず、完全な犬バカと相成った。

 フルフルというのは、以前飼っていたヨーキーの名を踏襲した。そもそも昔はやったシャンソンの曲名で、風にそよぐ葉擦れの音、ドレスのきぬ擦れの音。

 ヨーキーは床まで届く柔らかい毛が優雅な犬種。でも初代の子は、わが家が一番忙しかった時代で、お隣のお兄ちゃんに「ボロ雑巾」と言われていた。ごめんよ。

 それに引きかえ、2代目は朝からベッドで全身マッサージ。フルフルはとろんとした瞳でなすがまま。

 夫も「男前だねえ」と、子も孫も私も知らなかった優しい声を出す。私たちは、この子のためにも元気でいたい。(横浜市港北区/87歳/主婦)

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週刊朝日  2022年3月25日号