
カロリーゼロにもかかわらず人工甘味料をとり続けているとかえって太るという指摘がある。アセスルファムKは砂糖の200倍、スクラロースは600倍の甘味がある。元ハーバード大学研究員で、米ボストン在住の大西睦子医師が語る。
「多くの疫学研究で、ゼロカロリーのダイエット飲料を飲んでいる人は肥満や糖尿病になりやすいことがわかっています。人工甘味料はコカイン以上の依存性があるともいわれ、甘味に鈍感になって他の食べ物もどんどん甘くしないと物足りなくなってしまうのです。米国では肥満体形の人がダイエットコーラを飲んでいる光景をよく目にします。腸内細菌に影響するとの研究もあるので、習慣的にとらないようにしてほしい」
人工甘味料は缶コーヒーや炭酸飲料、スポーツドリンク、缶チューハイなどの飲料ばかりでなく、菓子や梅干し、カレールー、ドレッシングなど多くの食品にも使われているので、きちんと表示をチェックしたい。
ハムやベーコン、ウィンナーソーセージなど加工肉は発色剤として亜硝酸Na(ナトリウム)が使われている。肉をきれいなピンク色に保ち、腐りにくくする効果がある。
「亜硝酸Naは毒性が強く、肉に含まれるアミンという物質と胃の中で結びついてニトロソアミン類という非常に強い発がん性物質に変化します。お弁当やサンドイッチでもハムやウィンナーが入っている商品は控えたほうがいい」(渡辺氏)
2015年10月にはWHO(世界保健機関)傘下のIARC(国際がん研究機関)が、約800本の研究論文から、加工肉の消費量と発がん性を総合的に評価している。その結果、加工肉を毎日50グラム食べると大腸がんになるリスクが18%高まると発表した。
発色剤不使用の「無塩せき」のハムやウィンナーも売られている。一般的な商品より値段は高めだが、危険な添加物を避けることができる。
1970年代から「無塩せきハム」を販売している信州ハム(本社・長野県上田市)の担当者に話を聞いた。