林:じゃ、いつでも結婚できますね。

きゃりー:うーん。アイドル扱いじゃないと、自分では思ってますけどね。

林:まあ、人それぞれ幸せがあるわけで、結婚してもしなくてもいいし、好きな人と暮らすのが幸せだと思ったらそうすればいいし。

きゃりー:結婚が最終ゴールじゃないってことは、いま特に、時代的にもそうだなって感じます。いろんな人がいて、いろんな個性があるから、その人のなりたいようになったらいいんじゃないかなって思いますね。

林:そうですね。音楽の世界では、「歌姫」と言われる先輩の方々で、メンタルがやられてしまった方が何人かいますけど、社会現象を生み出すぐらいまでになっちゃうと、やっぱりすごく大変なんだろうなと思いますよ。私、新幹線でたまたま某「歌姫」と乗り合わせたことがあって、彼女、護送されるみたいに頭から何かかぶって、手を引かれて一連隊が移動していったんです。「大丈夫かな」と思ったことがありますけど、きゃりーさんは大丈夫そうですね。

きゃりー:事務所もレコード会社さんも、私をちゃんと「いち、人(ひと)」として扱ってくれてるなってすごく思います。仲もいいし、仕事場とはいえいろんなお話をするので、そこがリラックスの場所になってるのかなと思います。

林:(スタッフを見て)今日もすてきなお姉さま方に囲まれて、楽しそうにいらっしゃって。

きゃりー:ここに来る前、みんなでおうどんをテイクアウトして、事務所で食べてから来ました。毎日お弁当ばっかりで働いてると「ウ~ッ」となるんですけど、ちゃんと息抜きの場所をつくってくれるのでありがたいです。

林:じゃ、メンタルをやられちゃうなんてことはないわけですね。

きゃりー:それと、期待されすぎてないのがいいかもしれません。私に対して「ビッグになってほしい」とかいう期待が、あまり直接的に伝わってこないので、プレッシャーみたいな部分は、そんなにズキンと来てないです。

林:10年の節目を迎えて、これからこういうアーティストになりたいとか、こういう歌を歌っていきたいとかいうのはあるんですか。

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