小室圭さん(30)との結婚と同時に発表された秋篠宮家の長女、眞子さま(29)の複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)。結婚を待ち望んできた眞子さまを、ここまで追い詰めたものとは。成城大学の森暢平教授に寄稿してもらった。

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 10月1日の結婚会見で加地隆治・皇嗣職大夫は「PTSDの診断を聞いて、お支えする立場として心が痛む。申し訳なく思う」と述べた。この瞬間、加地大夫は声を詰まらせ、目は潤んでいたという。眞子さまを思う大夫の心中を察するにあまりある。

 会見に同席したNTT東日本関東病院の秋山剛医師(精神科)が用意したペーパーによれば、複雑性PTSDは、ネット上の攻撃、いじめ、ハラスメントでも起こる。命が失われることもある。

 報道によれば、眞子さまはSNSや週刊誌報道を見ることがあり、心を痛めていた。秋山医師は、特定の文字を見ると、恐怖感がフラッシュバックすることがあると説明した。たとえば、女性週刊誌のあの独特な表紙の文字列を見ただけで、恐怖を感じることは想像に難くない。

 克服のためには、環境を変え、全く新しい人間関係を作るしかない。コロナ禍のこの時期、批判があるなかでの結婚は、日本のマスメディアに接することがない米国に、早期に渡ったほうがいいという判断であろう。

 発表直後、ツイッターでは、「#国民のせい」というハッシュタグが立ち、トレンド上位になった。「責任転嫁」「国民すべてを敵に回す発言」など宮内庁への批判が上がった。

 もちろん、批判の自由はある。だが、ひとりの病気の女性、それも自分で声を上げることができない人物に投げ掛ける言葉ではないような書き込みをする人もいる。

 最も酷いと感じざるを得ないのは、ヤフーコメントである。2人の結婚を擁護する言論に対し罵詈雑言が延々と続く。病気の発表後も変わらない。

 もちろん、宮内庁が、病名公表という方法で、自由な言論を抑圧する意図を持っていたら問題である。秋山医師は「周囲の方々からの温かい見守り」があれば、回復が進むとした。10月26日に予定される2人の会見で、宮内記者会の記者たちが厳しい質問をしづらくなったのは間違いない。

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