「胸を張って『日本の代表』と言いにくい」 平井コーチ“コロナ五輪”に悩む (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「胸を張って『日本の代表』と言いにくい」 平井コーチ“コロナ五輪”に悩む

連載「金メダルへのコーチング」

平井伯昌週刊朝日#平井伯昌
平井伯昌(ひらい・のりまさ)/競泳日本代表ヘッドコーチ、日本水泳連盟競泳委員長

平井伯昌(ひらい・のりまさ)/競泳日本代表ヘッドコーチ、日本水泳連盟競泳委員長

男子100メートル平泳ぎで五輪連覇を狙うピーティ(英国) (c)朝日新聞社

男子100メートル平泳ぎで五輪連覇を狙うピーティ(英国) (c)朝日新聞社

 指導した北島康介選手、萩野公介選手が、計五つの五輪金メダルを獲得している平井伯昌・競泳日本代表ヘッドコーチ。連載「金メダルへのコーチング」で選手を好成績へ導く、練習の裏側を明かす。第70回は、「進む五輪カレンダー」。

【写真】男子100メートル平泳ぎで五輪連覇を狙うピーティ

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 水泳の欧州選手権がハンガリーのブダペストで開かれました。昨年5月の予定でしたが、新型コロナウイルスの感染が欧州全土に拡大して、いったん8月の延期が発表されながら実現できず、1年越しでようやく開催にこぎつけました。

 競泳は17~23日、無観客で実施されました。男子100メートル平泳ぎで世界記録を持つアダム・ピーティ(英国)ら各国の強豪選手が好記録をマークして、コロナ禍にもかかわらずしっかり練習ができていることを示していました。

 私は昨年秋、ブダペストで開かれた競泳の国際リーグ(ISL)に参加したとき、PCR検査など感染拡大防止策を徹底すれば国際大会は開催できる、と実感しました。その前提としてコロナ禍でもスポーツや芸術など文化活動を政策が後押しして、多くの国民の理解を得ている、ということが大切だと思いました。

 欧州選手権ではISLで同じチームで戦った仲間も活躍していました。五輪でライバルになる選手から大きな刺激を受けました。

 6月には昨年中止になった米国の五輪代表選考会がオマハで開かれます。通常の五輪イヤーの世界のスケジュールが動き出している一方、ホスト国である日本の受け入れ態勢は十分整っているとはいえません。

 ドイツの競泳長距離とオープンウォーターの五輪代表が希望していた、長野県東御市の準高地の施設での五輪前合宿が、受け入れ側の事情で中止になりました。海外の高地合宿などで情報交換してきたドイツのヘッドコーチから相談を受けていましたが、感染拡大防止策のためにプールの練習時間をほかのチームと別にするなど受け入れ条件が整わなかったようです。

 ISLでの実感をもとに「コロナ禍の中で開く国際大会の前提は多くの国民の理解があること」と書きましたが、世論調査の結果を見ても、五輪開催に反対の声が多く、競泳日本代表チームを率いる立場として複雑な気持ちです。


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