本誌の取材に対し、松本氏の事務所は「粉飾決算が行われた14年にもらった献金12万円は事件が発覚した19年7月に返金している」と回答した。だが、粉飾決算の有価証券報告書を提出したのは15年で


それ以降も松本氏は献金を受領していた。

 松本氏は麻生太郎副総理兼財務相の側近とされ、麻生派の事務局長として派閥を取り仕切っていた。麻生派幹部はこう言う。

「松本氏が多忙な麻生氏に代わって、手堅く派閥をまとめてきた。閣僚経験もあり、官房副長官という要職も務めたことがある松本氏の信頼は派閥で厚かった。それが銀座の飲み歩きと嘘がばれてしまい、『なんだよ、あの人』とすっかり信頼を失っている」

 公明党の遠山氏の議員辞職で松本氏の動向も注目される。

「年が明けて、養鶏疑惑で吉川貴盛元農相が起訴、すでに議員辞職。菅政権はコロナ対応の失敗で支持率が低下する中、松本氏が嘘の説明をしていたことでますます窮地に追い込まれた。離党した議員たちは次の衆院選挙で自民党から出られないので、無所属の出馬となる。かなり厳しい選挙になるだろう」(前出・自民党幹部)

(本誌取材班)
※週刊朝日オンライン限定記事