デカくてかわいい太陽の塔に“初詣” 作家・黒川博行が企画にまじめに答えた結果は? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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デカくてかわいい太陽の塔に“初詣” 作家・黒川博行が企画にまじめに答えた結果は?

連載「出たとこ勝負」

黒川博行週刊朝日#黒川博行
黒川博行・作家 (c)朝日新聞社

黒川博行・作家 (c)朝日新聞社

※写真はイメージです (GettyImages)

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 今回は地面師のことが浮かんで、“地面師が他人の土地ではなく、他人の美術品を売るのはどうか”と思いついた。“高額な美術品を展示しているのは美術館だから、ここを舞台にして地面師を暗躍させれば一編の小説になる”と考えをめぐらせて、そのプロットを枕もとのチラシにメモした。

 また、高名な絵師の描いた美術作品の模写(たとえば『源氏物語』のように紫式部の原本は消失し、写本だけが現存している)が発見されたら、その模写にもかなりの値がつくのではないか、と考えたりもして、それを一編に仕立てた。

▼短編と長編を書く上でのちがいは──。
▽なにからなにまでちがいます。

 短編はプロットを固めてから書きはじめる。でないと、注文された七十枚前後の原稿に収まらないから。一方、長編は主要登場人物のキャラクター(年齢、職業等)を決めたら、えいやっと書きはじめる。わたしの長編小説はすべて連載であり、七百枚以上の原稿を目安にしているから、事前にプロットを作っておいても途中で必ず軌道修正する。つまりは膨大なあみだくじのようなものであり、分岐点に達するごとに右へ行くか左へ行くかを判断する。長く小説を書いてきたから、どっちへ展開させればストーリーが膨らむか、読者を飽きさせないか、がなんとなく分かるのだ。もちろんミスはするが、それは単行本にするとき修正する。だからわたしの長編小説は一章を丸々削ったり、書き換えたりする加筆修正が多い。

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する

週刊朝日  2020年12月18日号


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黒川博行

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する

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