藤井聡太は「記録に関心ない」 師匠が明かす“無心”の将棋姿勢 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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藤井聡太は「記録に関心ない」 師匠が明かす“無心”の将棋姿勢

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鈴木裕也週刊朝日
2018年に新人王戦で優勝し、表彰式には師弟そろって参加した(写真提供・杉本昌隆)

2018年に新人王戦で優勝し、表彰式には師弟そろって参加した(写真提供・杉本昌隆)

師匠・杉本八段と研究対局をする藤井二冠。爽やかな笑顔の中に、強い負けじ魂を秘めている(写真提供・杉本昌隆)

師匠・杉本八段と研究対局をする藤井二冠。爽やかな笑顔の中に、強い負けじ魂を秘めている(写真提供・杉本昌隆)

 プロ入り、二冠達成、八段昇段……次々と最年少記録を塗り替えてきた藤井聡太二冠。当然、記録を意識していると思いきや…。師匠の杉本昌隆八段に藤井二冠の将棋へのひたむきな姿勢や素顔などを聞いた。

【前編/藤井聡太の強さの秘密は? 「悔しがる力」と「地味で非効率な勉強法」】より続く

【師匠・杉本八段と研究対局をする藤井二冠の写真はこちら】

 人との対局の大切さを藤井に教えた師匠。そのこころは、人と将棋を指すことで相手の気持ちを察する力を育てられるところにある。

「将棋という競技は常に自分がこう指したら相手はどう返してくるだろうかを考える競技です。つまり、対局中は常に相手の気持ちを考えながら指している。戦いながら無言でコミュニケーションをしているわけです。年齢差や職業を超えて将棋仲間ができるというのはそういうことだと思います」

 新聞などの観戦記には、相手の気持ちを考える習慣がついている棋士だからこその気配りが行き届いたエピソードがよく紹介されている。9月9日に行われた、永世名人の資格を持つ谷川浩司九段と二冠を獲得したばかりの藤井との順位戦対局ではこんなシーンがあった。

 対局開始は10時だが、谷川は20分前に現れ、下座に着席した。少し遅れて現れた藤井は、すでに谷川が下座に座っているので上座に座った。実は、将棋界には決め事があり、上座は格上が座る。原則的にタイトル保持者は上座に座るが、相手が大棋士の場合に若手が上座を遠慮することがある。谷川は藤井に余計な遠慮をさせないために、わざと先に対局室に来て下座を選んだのだ。

 新旧の天才対決に注目していた各紙は「遅れて入室した藤井は、下座に座った谷川の気持ちを察して、静かに上座についた」というふうに記した。

 杉本八段は、対局以外でも藤井の気配りができることに気付いている。

デビューから破竹の連勝を続け、「時の人」のように注目されたとき、テレビの情報番組は「藤井の勝負飯」として藤井の選んだメニューを紹介した。例えば藤井が「豚キムチうどん」を注文したなどと報じられるとすぐに、多くの視聴者からの電話が注文を受けた店に殺到し、藤井と同じメニューを注文する。具材が品切れになり、当の藤井の分がなくなってしまったこともあった。


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