原点は戦争体験 ピエール・カルダンが示す東洋文化の影響

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延江浩

2020/10/04 16:00

 ファシズムが台頭する母国イタリアからフランスへ一家で移り住んだのは2歳の時。世界大戦中は赤十字に勤務し、終戦後ジャン・コクトーの映画『美女と野獣』で衣装を担当したことからファッションの世界へ入ったカルダン。幼い頃の戦争体験が平和な世の中でより広く、多くの人にファッションを楽しんでもらうという信念に繋がった。

 カルダンのデザインのシンボルは円。彼の作品の多くに円が描かれている。「東洋では円は悟りや真理、宇宙全体を表すとされるけど」と両監督に尋ねると、「確かにカルダンは東洋文化に惚れ込んでいた。始まりも終わりもない永遠の円環(サークル)を示している。そこにはディストピアはなく、未来への可能性を示している」と言った。

 コロナ禍、アメリカにおける分断と、世界は不透明な霧に包まれている。100歳近くになってもなお指揮をとり続けるピエール・カルダンは、ファッションを通してその霧を少しでも晴らそうとしている。

延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

週刊朝日  2020年10月9日号

延江浩

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延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

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