メーガン妃(C)朝日新聞社
メーガン妃(C)朝日新聞社

「この毒蛇」
 
ハリー王子は、日ごろから王室スタッフをそう呼んで敵視していた。そして、結婚式の衣装合わせの日。メーガンが希望したティアラを持ってこなかった女官に向かい、「いますぐ、ここにティアラをもってこい!」と叱責した。

 8月11日に発売された『Finding Freedom(自由を探して)』のひとコマだ。執筆者は、メーガンの“応援団”として知られる若手の王室記者オミッド・スコビー氏。今春から反メーガンの暴露本が次々に出版されるなか、のちに撤回されたが、「ハリー王子夫妻の全面協力のもと、王室引退の全てを語る」自叙伝だと宣伝された事実上の“反撃本”である。

 英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんは、こう話す。

「王族や王室スタッフから受けた冷たい仕打ちのなかでも、兄夫婦であるウィリアム王子とキャサリン妃への恨み節は、群を抜いている」

 たとえば、ウィリアム王子がメーガンとの結婚に「その女の子(this girl)の付き合いは、時間をかけた方がいい」と忠告したことに、ハリー王子は、「メーガンを見下した発言だ」と激怒したという。また、メーガンの誕生日にキャサリン妃が花束を届けただけで顔を見せなかったなどと書かれている。

ただ、あまりに攻撃的な内容のせいか、夫妻の立場は逆に悪化している。敗色が濃厚になったのはメーガン39歳の誕生日である8月4日。この時点で暴露本の要旨はすでに報じられていたが、英王室やチャールズ皇太子夫妻、ウィリアム王子夫妻は公式SNSで誕生日を祝福し、大人の対応をみせた。一方でSNSのコメント欄には「なぜ、祝う必要がある?」「メーガンには共感できないね」といった批判コメントが殺到したのだ。

 夫妻は7月に米サンタバーバラの高級住宅街に新居を購入。ふたりとも講演活動を行ってはいるが、一家の財政を支えるのはチャールズ皇太子からの年間約3億円の資金だ。新居の費用も彼が援助したとも言われる。

「不思議なことに”反撃本”に、チャールズ皇太子の悪口はほとんどありません」(多賀さん)

 夫妻が本当に独り立ちできる日はくるのか。

(本誌・永井貴子)

※週刊朝日オンライン限定記事