「真面目も行き過ぎると…」作家・下重暁子が感じたコロナ対策の矛盾 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「真面目も行き過ぎると…」作家・下重暁子が感じたコロナ対策の矛盾

連載「ときめきは前ぶれもなく」

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下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。主な著書に『家族という病』『極上の孤独』『年齢は捨てなさい』ほか多数

下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。主な著書に『家族という病』『極上の孤独』『年齢は捨てなさい』ほか多数

写真はイメージです(c)Getty Images

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 人間としてのあり方や生き方を問いかけてきた作家・下重暁子氏の連載「ときめきは前ぶれもなく」。今回は、緊急事態宣言が解除に向かったとき、あぶり出されたコロナ対策の問題点について。

*  *  *
 緊急事態宣言が解除されるにつれて、徐々に日常がもどってきた。人々はそれでも規則を守り、第二波、第三波へのそなえをしようとする。それはすばらしいことには違いないが、コロナをめぐる様々な場所で、今まで気付かなかった問題点があぶり出されてきた。それは解除に向かう今クローズアップされている。

 友人が仕事の滞在先で怪我をして病院に救急車で運ばれた。命にかかわることはなかったが入院となり、家族が駆けつけたが面会謝絶。入院生活のために持参した身のまわりのものは、マスクを除いてすべてそのまま持ち帰り。他県から来た人に厳しいのはまあ当然としても、ちょっと首をかしげる。

 栃木県に移住した友人が突然亡くなった。つい先日会ったばかりだったので、驚いた。血液のガンだったらしいのだが、不調を訴えて、地元の病院で検査を受けるまで時間がかかり、治療も適切に受けられないまま死亡した。病院はみなコロナ対策とそのための病床確保で忙しく、他の患者へのしわ寄せはまぬがれない。ガンの手術予定も延期を余儀なくされていると聞く。

 私の知人の医療関係者は、医療崩壊や院内感染を防ぐために、逆に一般の人々の日常を崩壊させているケースもあるのではと危惧する。

 たしかに、日本人は、真面目なので決められたことはきちんと守る。しかしそれが行き過ぎると、人々の生活を必要以上にしばってしまうことにもなりかねない。

 あるマニュアルが出来るとそれにはまらぬものは排除しようとし、臨機応変に対処することが苦手である。

 そのへんのかねあいは、ケースバイケースだが、こうした非常時には、正義だけがまかり通ってしまう。それ以外は敵視の対象になる。


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