国道標識は“おにぎり”、焼きおにぎりができると…耐震工学の専門家が語る「道」の深い話 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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国道標識は“おにぎり”、焼きおにぎりができると…耐震工学の専門家が語る「道」の深い話

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吉崎洋夫週刊朝日
高橋良和(たかはし・よしかず)/工学研究科教授。1970年京都生まれ。京都大学工学部卒。京都大学防災研究所准教授などを経て現職。専門は耐震工学(撮影・吉崎洋夫)

高橋良和(たかはし・よしかず)/工学研究科教授。1970年京都生まれ。京都大学工学部卒。京都大学防災研究所准教授などを経て現職。専門は耐震工学(撮影・吉崎洋夫)

高橋教授が特注して作った本物の国道と同じ標識(撮影・吉崎洋夫)

高橋教授が特注して作った本物の国道と同じ標識(撮影・吉崎洋夫)

 変人と天才は紙一重――。ノーベル賞受賞者など異能の人材が多数輩出する京都大学において「変人」はある意味、褒め言葉だという。既成概念の中にとどまっていては新しい時代を切り開くような自由な発想や研究が出てこないからだ。国道マニアで耐震工学の専門家、大学院工学研究科の高橋良和教授も“変人”の一人だろう。高橋教授が伝えたい「道」の深い話とは。

【写真】業者に特注した国道172号の“標識”

*  *  *
 研究室のドアを開けると、「国道172」と書かれた標識が出迎えてくれる。上半身がすっぽりと隠れてしまうほどの大きさだ。

「本物の標識を作っている業者に特注しました」

 工学研究科の高橋教授は、“鉄ちゃん”ならぬ“道ちゃん”。「国道」マニアなのだ。

「国道172は大阪港と御堂筋をつなぐ道ですが、この標識は道に設置されていないことで有名なんです」

 ないので、自分で作ってしまったというわけだ。ほかにも道路標識コースターや、ステッカー、沖縄で売られる「黒糖58」(沖縄に通じる国道58号をもじったお土産)など道路グッズが研究室にはあふれていた。

 国道を愛してやまない高橋教授。全国にある興味深い国道を教えてくれた。例えば、高橋教授が奇跡の国道と称賛するのは、国道19号と361号が重なっている区間。19号は愛知から長野をつなぎ、361号は岐阜から長野を結ぶ道だが、長野県木曽町で重複区間がある。国道は英語でルート。ルート361の平方根は、なんと19だというのだ。

「ルート361が19になるなんて、すごすぎるでしょ。そう思って国道を見ると、面白い景色に代わってくるんですよ」

 その後も熱い鉄道トークが続いたが、高橋教授は橋の耐震工学が専門。地震揺れに対して、建物をうまく壊し、ダメージを逃す研究をしている。素人の考えでは、いかに地震の力を詳細・正確に想定することが大切なことのように思えるが、研究のキーワードは「鈍感力」だという。

地震の予知が難しいように、発生する地震の力をあらかじめ正確には予測することは難しい。ならば、揺れに敏感に反応するのではなく、鈍感に反応すれば、いつも同じような壊れ方になると考えた。そういったシステムを作ることに取り組んでいる。一度実験が始まれば、最低でも6時間は実験室に籠りっぱなしになるという。


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