「周りの人たちが自分の写真をみて『これ、いいねえ』って言ってくれても、どこがいいのかわからなかった。『え? これがいいの? こんなボーッとしてる顔が?』って思っていました。いやだなあ、って(笑)」

 個性を受け入れられるようになったのは1年ほど経ってからだ。

「仕事をとおして知らないものをたくさん知っていくなかで、自分が思っていた『かわいい』や好きなものも変わってきた。そうしたら、なぜみんなが私のその写真をいいと言うのかがだんだんわかってきたんです。そこからは仕事がすごく楽しくなりました」

 演技のレッスンも高1から受けていた。

「事務所でのレッスンのほか、演技のワークショップに参加して、ショートムービーやショートドラマに出たりもしていました」

 意外にも積極的なのだ。そして18年に映画「少女邂逅」で女優デビューを果たし、昨年は映画「おいしい家族」「ブラック校則」などに出演。今年は主演映画の公開が相次ぐ。

 2月22日公開の「恋恋豆花(れんれんどうふぁ)」(今関あきよし監督)では、義理の母と台湾を旅することになる大学生を演じる。若干うっとうしい義理の母に心の中で毒づくなど、コミカルな場面や女友達とにぎやかにおしゃべりするシーンもあり、「風の電話」とはまたがらりと違う印象に驚く。

「あれは一番、素に近いかもしれないです」

 演技のどんなところが魅力的なのだろう。

「最初にお芝居が楽しいと思ったのは小学生のときのお遊戯会です。みんなは恥ずかしがってるけど、自分では演じながら割と自由になれている気がして『楽しいな』と思えた。みんなで物語を作っている、という感覚も好きなんです。物語が好きで、自分が、その一部になる感じが好きなんだと思います」

 挑戦してみたいことは?

「お芝居でいろんな役をやってみたい。日本だけじゃなくて海外の作品にも出てみたいです。いまやってみたいのは刑事役。難しそうだけど、挑戦してみたい。でも、あんなに頭が回るかな(笑)」

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