生瀬:はい、書きます。
林:今後、決まったカンパニーを持ってバシバシやろうと思ってます?
生瀬:僕、予定を立てない、理想を持たない、野望を持たない、流れる、というのがモットーなんです。ここまで認知されたら、いろんな方が「生瀬にやらせてみよう」と思ってくれるかもしれない。僕にとっては、そっちのほうが予測不能で楽しいんです。「乗りませんか?」と言われたら「乗りますよ」と言い、「やりませんか?」と言われたら「やりましょう」と言う。今はそれがいいのかな。
林:事務所にいま、今年の企画書とか台本が積んであるわけでしょう。コーヒー飲みながらその中から選ぶのって楽しいでしょうね。
生瀬:それが自分で選ぶと、そうでもないんです。服もそうなんですけど、服を買いに行くとき店員さんにすべてまかせるんです。自分の好きな服はあんまり買わないんです。
林:生瀬さんはもう35年ぐらいやってるんですか。
生瀬:そうなりますね。
林:体形もぜんぜん変わってないですよね。
生瀬:変わってますよ。脱ぎましょうか(笑)。
林:ずっとスリムなままで、やや筋肉質。細マッチョっていうのかな。
生瀬:ウォーキングしてるんです。腰痛持ちなので、ジョギングは続かないし、じゃあ歩こうと思って、ここ2年ぐらい毎日歩いてます。おもしろいことが起きるんですよ。カラスがクルミを空から道路に落として車に割らせるのを見ましたから(笑)。
林:ほんとですか。変な人も歩いてるでしょう。
生瀬:歩いてる。ブツブツしゃべってる人がいるから、何を言ってるんだろうと思ってあとをついていったり(笑)。
林:どこを歩くんですか。
生瀬:神田川沿いをテクテクと。スッポンがいたりして。
林:スッポンが神田川に?
生瀬:います。このあいだ大雨でスッポンがいなくなったから、流されたのかな、海まで行っちゃったのかな、どうしたんだろう……。
林:ということを考えながら歩くんですね。
生瀬:ついこの前も歩いてたらタヌキがいて、それが年老いてて、目もショボショボしてて、横が道路だから、ひょっとしたらひかれちゃうんじゃと心配しながら……。